江戸の長者番付
今日の関東は、比較的過ごしやすいらしい。週末までそんな気温が続くとのこと。
えっ、関西どすか? そんなん聞いてもらわんでもよろしおす。昨日とまったく変わらしまへん。今日もえろう暑おすえ〜〜! 関東のお人が、うらやましおす。もうこんな暑いの、勘弁しておくれやすwww
京ことばで書いたら、少しは暑苦しさが伝わっただろうか。要するに、こんなアホなことを書きたくなるほど暑いというこっちゃね。関西は明日も厳しい暑さらしい。土曜くらいになると、ようやく平年並みに落ち着くらしい。でも台風が近づいているよね。
だけどこうなったら、台風でも歓迎したくなる。少しは雨が降らないと、あちこちで自然の植物が枯れている。豪雨被害の爪痕は残っているけれど、やはり雨は必要だろう。
さて、ちょっと面白い本を読んだ。江戸時代に幕府が置かれた江戸で暮らす人たちの生活を、経済の視点から見た書籍がある。
『江戸の長者番付 殿様から商人、歌舞伎役者に庶民まで』菅野俊輔 著という本。
著者は早稲田大学の政治経済学部を卒業した江戸文化研究家。珍しい視点なので、とても興味深くて面白く読んだ。
長者番付というタイトルになっているけれど、今のように完全な納税データが存在する時代じゃない。それで各業界を代表して、大きく11の職業に分けてランキングを検証している。その11とは、
将軍:徳川吉宗
大名」加賀藩の前田斎秦
商人:三井越後屋の三井八郎右衛門
僧侶:寛永寺の貫主
町奉行:大岡忠相
歌舞伎役者:三代目中村歌右衛門
職人:銀座吹所の大黒常栄
花魁:吉原の人気花魁
火付盗賊改:長谷川平蔵
奥女中:江戸城大奥女中
医者:杉田玄白
という各職業の代表選手。さて、この11人の収入ランキングはいかに?
とりあえず1位だけ教えておこう。大抵の人が思うとおり、この中では徳川吉宗がトップ。現在の金銭にして、年収は1294億円になる。さすが暴れん坊将軍だけのことはあるよね。
他の順位について気になる人は、この本に正解が書かれている。なかなか面白いよ。
この本では収入だけでなく、支出についても考察されている。1294億円も年収のある徳川吉宗が、どんなことにお金を使っているか。あるいは庶民の生活はどうなっていたのか。金銭だけでなく住宅事情も含めて詳しく書かれている。
この本を読んで時代劇を見たら、ある場面は納得できたり、別のシーンには突っ込んでしまうかも。時代劇や時代小説を、より深く楽しめると思う。
まぁ残念なのは、昔ほど時代劇をテレビでやってないこと。そのあたりは、少し寂しいよなぁ。
『高羽そら作品リスト』を作りました。出版済みの作品を一覧していただけます。こちらからどうぞ。