大人になるのは辛いよね
関東が過ごしやすくて、関西だけが相変わらず猛暑だなんて不公平ちゃうの? なんかムカつくやん! という無茶なことを言いたくなるほど今日も暑い。
雲が多くて、ところによっては激しい雷雨があるそう。そやけどその『ところ』ってどこやねん。神戸はちっとも降らへんで。
今日の気温は35度を切っていると思うけれど、とにかく湿度が高い。仕事をしていても、キーボードで文字を入力しては汗をふくことのくり返し。おまけに夏のシーンを書いているから、余計に暑苦しい。どうせなら冬のシーンにすればよかった。
それでも明日からは、少しずつ平年並みの気温になる予報。台風の影響があるようで、土日はかなり気温が下がりそう。その予報を信じて、期待して、懇願して。すがりついて、ひざまづいて待つしかないwww
子供のころは、暑いながらも文句ひとつ言わず遊んでいた。暑いのは現実として受け入れて、その環境に適応して生きていたように思う。でもいつごろから、天気に文句を言うようになったんだろう? 自分の思いとおりにならないと、天を仰いで暴言を吐くようになった。
大人になるのは辛いもんだよね。そんなことを感じる映画を観た。
『スーパー・チューズデー 〜正義を売った日〜』(原題: The Ides of March)という2011年のアメリカ映画。
大統領の予備選挙を扱ったもので、民主党の大統領候補のブレーンとして働くスティーブンという男性が主人公。監督、脚本、プロデューサーをジョージ・クルーニーが手がけていて、その民主党の大統領候補の知事としても出演している。
そしてスティーブンを『ラ・ラ・ランド』や『ブラードランナー2049』で好演したライアン・ゴズリングが演じている。そしてスティーブンの上司であるポールを、今は亡きフィリップ・シーモア・ホフマンが完璧に演じている。
スティーブンは才能豊かな青年だけれど、まだ経験が浅い。大統領選挙という魑魅魍魎が闊歩する世界では、子供も同然だった。スティーブンの力を恐れた共和党陣営のブレーンは、彼をはめようと画策する。
それにひっかるのが若い証拠。脇が甘いので、手玉に取られてしまう。結果として選挙事務所をクビになり、付き合っていた女性を自殺で死なせることになる。人生に絶望したスティーブンは、ようやくこの世界が甘いものでないことを思い知る。
そこで大どんでん返しの秘策を工作する。それまで誠実で清らかであることが彼の売りだったのに、汚いドロドロとした駆け引きの世界へ飛び込む。その結果、大統領候補の知事に自分のクビを撤回させるだけでなく、上司のポールを更迭して自分を選挙参謀の責任者にさせる。
さらに自分をはめた共和党のブレーンを敗北へと追いやる。このスティーブンの変化の軌跡を、ライアン・ゴズリングが最高の演技で表現している。鬼気迫る演技に、時間を忘れて見入ってしまった。そして彼の演技が引き立つよう、ジョージ・クルーニー等のベテランたちがうまく支えていたと思う。
人間ドラマとして、この映画は素晴らしい仕上がりになっていると思う。これからが、さらに楽しみな俳優さんだよね。
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