異世界と現実世界が混ざり合う
2週間前の金曜日。久しぶりに持病のギックリ腰になった。しばらく不自由な生活が続いていたけれど、今はほぼ普通に暮らしている。腰の一部が筋肉痛のように張っているだけで、生活にはまったく支障がない。
同じ曜日なので、行動パターンがよく似ている。だから2週間前は腰を支えながら歩いたなぁ、と思って同じ道を軽快に進んでいた。腰の容態はすっかり改善したけれど、2週間前と変わらないものがある。
それはこの酷暑。
今日は名古屋で観測史上初の40度超えだったらしい。暑いのは日本だけでなく、韓国や北朝鮮でも40度前後の酷暑になっている。ドイツでは38度を超えて、消防車が山火事を防ぐために植物に散水している。パリでは38度になったことで、猛暑警報が出ている。北半球全体を巻き込んだ酷暑らしい。
神戸はまだマシかもしれない。昨日の最高気温なんか、暑いといいつつも31.9度だった。さすがに今日は気温が上がっていて、おそらく35度近くにはなると思う。ギリギリ猛暑日を避けられる程度かな。マシだとは思うけれど、やっぱり暑いものは暑い。本当にウンザリする。
もしドラえもんの『どこでもドア』があったら、一瞬で涼しい場所に行けるのにと思う。そんな『どこでもドア』を、あのスティーブン・キングが小説に書いている。
『ダーク・タワーII 運命の三人』上巻 スティーブン・キング著という小説。
先日のブログで宣言したとおり、全部で7巻もあるスティーブン・キングの『ダーク・タワー』シリーズを読んでいる。第1巻を読了したので、第2巻に突入している。上下巻の2冊に分かれていて、昨日に上巻を読了した。
第1巻では主人公のガンスリンガーが、黒衣の男という魔術師に会い、ダーク・タワーに行くための方法を聞かされる。それは3人の人物に出会って、ともに旅をする必要があった。そこで終わっている。
第2巻に入って、ガンスリンガーは旅を続けようとする。ところが海岸で得体の知れない生き物に襲われる。ロブスターの化け物で、指を2本食いちぎられ、足の一部も食べられた。そして傷口から感染して、敗血症になってしまう。このままでは死ぬしかない。
だけど人はいないし、薬もない。そこは古い西部劇のような異世界で、ただ無人の海岸が続いているだけ。命からがら逃げ出したガンスリンガーは、不思議な扉を見つける。扉を開けると、そこは別世界とつながっていた。
その扉を越えると、ある人物と意識がつながる。その男が黒衣の男によって予言された3人のひとりである『囚われ人』こと、エディという20代の人物だった。なんとそのエディは現代のアメリカで暮らしている。ヘロインの中毒患者で、ちょうどコカインを外国から密輸しているところだった。
ガンスリンガーは、エディが3人のひとりであることを知る。さらに自分の命を救うためには、このエディを使って抗生物質を手に入れるしかない。
ということで、ここからがめちゃ面白い。異世界と現実世界が混ざり合う。その扉を行き来して、物質を移動することができた。
ガンスリンガーは瀕死の自分の肉体を異世界においたままで、エディの意識に侵入する。そして飛行機に乗っている彼の密輸を助ける代わりに、求める抗生物質を手に入れてもらおうとする。
ところがそう簡単にはいかない。無事にアメリカへ入国できたけれど、マフィアのボスは疑っている。愛する兄を人質に取られたエディは、銃撃戦を覚悟でマフィアのボスのアジトに向かう。エディが死ねば自分も死ぬ。意を決したガンスリンガーは、異世界から現代のアメリカへ肉体をともなってやってくるという物語。
この作品だけでも、興奮してページを繰る手が止められない。とにかく面白い! 結果的にガンスリンガーとエディはマフィアを皆殺しにする。そして無事に抗生物質を手に入れる。だけど警察に取り囲まれて、異世界に逃げて扉を閉じるしかなかった。
ということで現在のアメリカに戻れなくなったエディは、ガンスリンガーとともに旅をすることになる。そして2つ目の扉が現れる。第2の人物の登場だよね。ここから下巻になる。
今夜からその下巻を読む。もう楽しみでワクワクしている。これが第7巻まで続くなんて、めちゃ幸せで興奮する。これほど面白い物語だとは思わなかった。
『高羽そら作品リスト』を作りました。出版済みの作品を一覧していただけます。こちらからどうぞ。