君たちはどう生きるか 漫画編
今日は心身ともにヘロヘロ。
昨日は延べ8時間かけて、ようやく新しい小説の初稿をあげた。どうしても昨日中に仕上げたかったので、『了』の文字を入力した直後に午後11時をさした時計を見てほっとした。
だけどアドレナリンが出まくっているので、すぐに眠れない。結局午前1時ころまで眠れず、今日は完全に寝不足。さらに秋雨前線が北上して太平洋高気圧が張り出したので、今日の神戸は完全に夏。
最高気温が久しぶりに30度を超えて、歩いていると真夏の酷暑を思い出した。寝不足と暑さのせいで、今日の疲労は限界。夕食のキーマカレーにはニンニクをたっぷりと入れて、今日はぐっすり寝るぞ!
でも昨日がんばったおかげで、今日から楽しい推敲に入っている。文章を直すのが本当に大好きで、いつまでもやっていられる。期限まで残り2週間なのであまり時間はないけれど、最低でも6回は見直したいと思っている。
さて、ミリオンセラーの本を読んだ。それも小説でなく漫画。
『君たちはどう生きるか』原作 吉野源三郎 漫画 羽賀翔一 という本。
今年の3月の段階で、この本は200万部を超えている。お金の話をするのもなんだけれど、1300円の定価で印税が10パーセントとすると、印税は2億6千万円だよ! 漫画の印税がどうなるか知らないけれど、半分でも1億円を軽く超える。こんな印税、もらってみたいwww
この本がミリオンセラーになって行く過程を見ていたので、その勢いをモロに感じていた。これはぜひ読もうと思ったので、最初に原作を読んだ。これがなかなかいい本で、なんとなく売れる理由がわかったように思う。
舞台は1937年の日本で、父を病気で亡くした主人公と叔父のやり取りが中心となっている。80年以上前の時代だけれど、今でも心に響くものがある。ただ時代背景を真剣に考えると、切ないことこのうえない。
1937年に中学生ということは、戦争末期には学徒出陣した世代。この本で叔父は世間に流されずに、自分の意見を持つことの必要性を伝えている。だけどそんなことは許されない時代だった。それゆえに、この時代のこの本を書いた著者の真意が痛いほと伝わってくる。
さてそれが漫画になるとどうなるか?
個人的に言えば、ボクは原作のほうが感動した。戦争へと突き進むこの時代の切迫した雰囲気が、漫画から伝わってこなかったから。それは少年の心の成長を中心においているから仕方ないと思う。だけど、どこか戦争が遠い世界のように感じてしまった。
もうひとつの理由は、単なる好き嫌いの問題。ボクはこの漫画のタイプの絵があまり好みじゃない。これは感覚的なものだから、どうしようもない。
ただ今の若い世代の人たちにこの作品を知ってもらうため、漫画という手法は正解だったのかも。とっかかりやすいからね。とにかく売れるのが一番。そういう意味では、素晴らしい作品なんだと思う。
『高羽そら作品リスト』を作りました。出版済みの作品を一覧していただけます。こちらからどうぞ。