正体は吸血鬼だった!
新作小説の構想に入っている。今回は半年ぐらいかけてじっくり完成させるつもり。できることなら主人公を、シリーズ化できるようなキャラにしたいと思っている。
構想を練っているこの時期は、周囲の出来事、ネットの記事、テレビのCMまで含めて、あらゆることに神経を注いでいる。どちらかといえば神経過敏といっていいくらいの状態で、常にアンテナを張りめぐらしている。
そうして観察していると、見知らぬ他人の会話、ノロノロ走る自動車、乱暴な運転をするバスの運転手、大声で会話する外国人の乗客、突然降り出した雨、壊れた駐車場のロボットゲートのようなものにまで『何か』の物語を感じてしまう。
だからこんな時期に読む小説には、自分が思っている以上に影響を受けてしまう。
『ダーク・タワーⅤ カーラの狼』中巻 スティーブン・キング著という小説。
全部で第7部まである『ダーク・タワー』シリーズの、第5部の中巻を読み終えた。ここまでの経緯は『心のなかは台風一過』という記事を参照してもらうと、追いかけられるようになっている。
ダーク・タワーを探す旅を続けるローランドたちに、新しい仲間が増えそうな予感。カーラという街は20数年に一度、双子の子供たちのひとりがさらわれ、魂を抜かれたような状態で戻される。『狼』と称される集団が子供を連れ去るが、その正体はなんと吸血鬼だった。
そのことを明かしたのは、カーラの街の神父であるキャラハン。実は彼もこの世界にやってきた異端者で、元の世界は1980年代のニューヨークだった。ボクたちが暮らしているこの世界にも、ダーク・タワーを支配する魔の手が及んでいる。
それに協力しているのが吸血鬼の集団で、現代のニューヨークにも暗躍している。その吸血鬼の血液を飲まされたキャラハンは、人間に化けた吸血鬼の正体が見えるようになる。それでアメリカ各地で吸血鬼ハンターとして活動することで、大勢の吸血鬼を殺してきた。
そのことで吸血鬼の集団から命を狙われ、本当の吸血鬼にされてしまう前にビルから飛び降りて自殺した。その直後にやってきたのが、ローランドたちのいるパラレルワールドの世界だった、というのが中巻の内容。
このままダーク・タワーを放置しておけば、現代のニューヨークも含め、パラレルワールドのすべてが悪の世界へと変転してしまう。どうやらこのキャラハンという老神父も、ローランド、エディ、スザンナ、ジェイク、オイの仲間に入りそうな展開。
ただ彼らは大きな問題を抱えている。第3部でジェイクをこちらの世界に引き入れるとき、唯一の女性であるスザンナが妖魔と性交することで、その魔力を引き止めていた。その代償として、妖魔の子供を妊娠した可能性がある。
もともと多重人格者だったスザンナは、その妖魔の子供を守るための別人格を創造している。どうやらその事実が、今後の戦いに嫌な影響を及ぼしそうな予感に満ちている。
さて今夜から下巻を読む。いよいよ吸血鬼たちとの戦いが始まる。めちゃ影響されてしまいそう〜〜!
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