愛のためなら何度でも転生する
出た、出た、待ってたよ〜!
今年の12月に公開される『アリー/スター誕生』というレディー・ガガとブラッドリー・クーパーが主演する映画のサントラ盤から、ついにこの曲のミュージックビデオが昨日になって公開された。『I’ll Never Love Again』というタイトルで、ボクがもっとも気に入っている曲。
映画の雰囲気を感じられる素晴らしい編集で、レディー・ガガの見事な歌唱力を堪能できる。このビデオを観るだけで、この映画を絶対に観たいと感じさせる内容。12月21日の公開が待ち遠しい。行こうかどうか迷っている人がこの映像を見たら、映画館直行はまちがいなしかもね!
その前に11月9日に公開される『ボヘミアン・ラブソティー』に行かなくては。ロックバンドのクイーンの軌跡を映画化したもので、エイズで亡くなったフレディ・マーキュリーの物語。ボクの世代でこの映画を観ないロックファンは、完全にモグリだからね。今からワクワクしている。
そしてこれは是非とも映画化してほしいと切に願う小説を読んだ。
『月の満ち欠け』佐藤正午 著という小説。
昨年の直木賞を受賞した作品なので、まったく予備知識なしに本を開いた。最初は「なんやこれ?」という不思議な雰囲気で始まり、中盤にかけて徐々に怖さが増してきた。そして最後には感動で号泣するという作品。
新しい小説なので、肝心なことは書かない。だけどまっさらの気持ちで読みたい人はこの先を見ないでね。
これは人間の魂の転生をテーマにした物語。つまり生まれ変わりがモチーフになっている。
満月は徐々に欠け、やがて新月となって消えてしまう。だけど再びその姿を復活させる。まさに死んだ人間が生まれ変わるのと似ているので、この小説のタイトルが『月の満ち欠け』になっている。
瑠璃という名の二十代後半の女性は人妻だった。だけど夫との生活は破綻している。そんなとき、大学生の男性に出会って恋に落ちる。二人は愛し合うが、叶わぬ恋であるのは事実。だけど瑠璃は言う。
「何度死んでも、あなたを探して会いにくる」
そしてその男性もそれを信じて待ち続ける。二度生まれ変わって彼に会おうとしたけれど、いつも直前で失敗してしまう。そんな瑠璃が三度目に選んだ母親は、二度目の瑠璃だったときの親友だった。その親友は、自分が瑠璃という名の成人女性の生まれ変わりだと信じていてくれていたから。
あぁ、言いたいけれど、これ以上はやめておこう。途中までやかなり怖い。瑠璃の執念のようなものを感じるから。だけど物語は後半になって、大きく展開して行く。二度目の瑠璃の父親だった男性にも、奇跡のような出来事が起きる。
そして瑠璃が探し求めていた男性に出会う日がくる。3度も生まれ変わって自分は小学生なのに、相手は50代の中年。だけどこの再会のシーンは泣くよ。今思い出しても涙がにじんでくる。なんて純粋な愛なんだろう。こんな素敵な愛のためなら、何度でも転生すると思う。
これは文句なしの直木賞作品だと思う。大勢の人に読んで欲しい、そしてぜひ映画化して欲しい。子役の高い演技力が必要になると思うけれどね。
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