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高羽そらさんインタビュー

善人と悪人の条件

善人、あるいは悪人の条件を述べてくださいという質問を受けたら、あなたはどう答えるだろうか?

 

これは昨日のブログの蒸し返しになるけれど、二面性を有するものなので簡単に答えることができない。善と悪の概念なんて個人的なものであって、絶対的なものは存在しないと思う。

 

人を殺すのは悪人だ。そう答える人は多いだろう。ボクもその一人。

 

だけどその殺人を犯した人に訊いてみれば、ちがう答えが返ってくると思う。心神耗弱状態等の例外はあると思うけれど、一般的に殺人で逮捕された人はこう答えると思う。

 

「そうするしかなかった」と。

 

理由はどうであれ、その人にとって人を殺すことがその『瞬間』における、その人だけの『善』だったと思う。もちろん自分勝手で言語道断であることはまちがいない。でも自分の保身であれ、嫉妬であれ、激烈な怒りであれ、その瞬間の犯人は自分にとっての『最善』を選択したんだと思う。

 

もし同じ状況で殺人を思いとどまったとしたら、その人は善人だろうか? 殺意と実際に人を殺すことの壁は限りなく高く、そして分厚いけれど、その壁が善悪を規定するものじゃないと思う。

 

こんなことをとりとめなく考えていると、善人と悪人の条件なんてまったく思いつかない。きっと人間はそのどちらも合わせ持っていて、その瞬間に表出するものが、他人の概念によって善と悪に分断されているんだと思う。

 

今日観た映画の主人公が、まさにそんな人物だった。彼は善人なのか悪人なのか、ボクには最後まで答えが出なかった。

 

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『ザ・ゲスト』という2014年のアメリカ映画。B級映画の雰囲気満々だったけれど、想像していた以上に面白かった。

 

その善悪がわからない主人公が、この写真の男性。デヴィッドという除隊した兵士なんだけれど、このイケメンを見たら善人にしか見えないよね。ボクはあまりよく知らなかったけれど、ダン・スティーブンスという俳優さんが演じている。

 

彼の演技が素晴らしいので、映画の最後まで悪人か善人が判断できなかった。このデヴィッドが、ある家族の家に突然やってくる。その家族の長男は中東で戦死したばかりで、同じ部隊にいた友人とのこと。亡くなった親友の言葉を家族へ伝えにきた。

 

たしかに長男の写真にも写っている。それでこの家族は信用して、彼を家に泊める。家族を守ってほしいと親友に頼まれたとのことで、実際にこの家族のためにデヴィッドは力を尽くす。

 

だけど彼は軍の特殊部隊に所属している兵士で、殺人マシーンとなるべく実験台になっていた人間だった。その環境に耐えきれず、人を殺して脱走していた。彼の存在を知った軍の幹部は、選りすぐりの兵士を集めて彼を抹殺しようとこの家にやってくる。

 

自分の身元がバレたデヴィッドは豹変する。なぜなら身を守るというプログラムを脳に仕込まれていたから。軍が関わってきたことで、彼は殺人者となって大勢の人間を血祭りにあげてしまう。もし軍が彼を放っておけば、この親友の家族は幸せに暮らせたかもしれない。

 

まぁB級映画なので、デヴィッドの素性に謎が多すぎるのが欠点だったなぁ。それゆえ余計に、彼の人物像がわかりずらい。

 

だとしても映画の展開として、デヴィッドが善人なのか悪人なのかが、あえてあいまいに描かれていたように思う。ラストは無理やり終わらせた感があるけれど、なかなか見ごたえのる映画だった。

 

ボク的にはラストの戦いで、デヴィッドはあえて親友の妹と弟を殺さなかったんだと思う。二人を使って自分の死を偽装することによって、どこかで平和に暮らすつもりなのだろう。そう思うと、殺人鬼の彼が悪人だと言い切れない気がするなぁ。

 

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高羽そら|たかはそら(作家、小説家)プロフィール

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高羽そら(たかはそら)
今後の目標:毎年1つの物語を完成させたいと思います。
生年月日:昭和37年5月10日
血液型:A型
出身地:京都市

【経歴】
1962年京都市生まれ。数年前に生活の拠点を神戸に移してから、体外離脱を経験するようになる。『夢で会える 体外離脱入門』(ハート出版)を2012年1月に出版。『ゼロの物語Ⅰ〜出会い〜』、『ゼロの物語Ⅱ〜7本の剣の守り手〜』、『ゼロの物語Ⅲ〜次元上昇〜』の3部作を、2013年7月〜12月にかけて、オフィスニグンニイバよりAmazonのKindleにて出版。現在も新たな物語を執筆中。

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