読書力のスキルアップ法
ここ数日、念願だった読書力のスキルアップに成功したと感じている。試行錯誤していたけれど、ようやくある種の臨界点を超えたように思う。
昨年の冬至から今年の夏至にかけてのテーマが、読書力のスキルアップだった。ボクが目標にしていたのは、プロの編集者の読書力。
彼らは毎日とんでもない分量の文章を読んでいる。それが仕事だといえばそれまでだけれど、とにかく半端な量じゃない。そのうえただ読むだけでなく、著者の文章構成を練り直したり、詳細な表現のチェックを行っている。いわゆる『アカ入れ』というやつ。
ボクは最低でも就寝前に2時間の読書を継続している。だけどその質をプロの編集者並にスキルアップさせたいと目論んでいる。文章のチェック技能も身に付けたいけれど、最優先するのは編集者たちの読書に対する持久力。これをなんとかモノにしたい。
ずっとそのことを意識して毎日読書してきた結果、ここ数日ようやくその感覚を体験できた。20代のころに速読ブームがあって、ボクは習いに行ったことがある。そのときの経験がうまく生かされたように思う。
普通の人の読書力の臨界点を突破する方法は、意外にもシンプルなものだった。
それは『集中力』ということに尽きる。
小説でもビジネス書でも、とりあえず文字が連なっている。普通はそれを一文字ずつ読み込んでいく。多少まとめ読みするとしても、せいぜいが単語単位だろう。だけど書かれている文章の世界にグググっと入り込むと、ある種の変性意識状態になる。そしてふいに活字が浮き上がってくる。
弓道の達人が極限まで集中すると、どれだけ遠くの的でも目の前にあるようにズームアップされるそう。だから中心を射抜くのはたやすいらしい。それと同じようなことがボクに起きている。
文章がある特定の塊を形成して、それらが独自の意味をなして3D化する。すると内容がズバズバと入ってきて、まったく疲れない。速読も同じように文章を塊として見る。でも速読の場合はそれらを全体的、瞬間的に把握する。
でもボクが目指している読書は少しちがう。意味がわかればいいのではなく、表現方法、句読点の使い方等、文章全体を深く読み込むことが目的。だから読み流すのではなく、しっかりと一文字ずつ読み込みたい。それが『集中力』によって可能だということを実感できた。
もう少し経験を積んだら、誰にでも実践できるようなノウハウ化にトライしてみよう。きっとプロの編集者たちは、日々の仕事を積み重ねることでこの読書力を身に付けているんだと思う。
そんな編集者のなかで、誰も追随できないほど素晴らしい実績を成し遂げた人の本を紹介しておこう。
『読書という荒野』見城徹 著という本。
数々の伝説を作ってきた幻冬舎の社長である見城さんの読書論。読書がどれほど人生に意義あることなのか、とてもわかりやすく書かれている。読書のモチベーションが一気に引き上げられる本なので、最近は本を読めていないなぁ、という人にオススメ。
『僕が考える読書とは、実生活では経験できない「別の世界」の経験をし、他者への想像力を磨くことだ。重要なのは、「何が書かれているか」ではなく、「自分がどう感じるか」なのである』とこの本のまえがきで述べられている。
読書というのは、自分の頭で考えるためのトレーニングだと思っている。それゆえ読書習慣を持てば、限られた人生でより深い経験ができる。だからボクは、肉体が可能な限り本を読み続けると思う。
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