マジで迷惑な自殺だよなぁ
真剣に自殺を考える人の心のうちは、自分の指先さえ見えないほどの闇なんだと思う。だから他人のことなんか考える余裕がないことは、重々にわかっているつもり。それは仕方ないよな、と思うのは事実。
だけど自殺が大勢の人に迷惑かけることが多いのも、これまた事実だろう。その最たる例が列車に飛び込むという人身事故。列車を止めることで大勢の人に迷惑をかける。さらに遺体を片づける鉄道会社の人たち、そして必死でブレーキをかけたけれど間に合わなかった運転士さんのトラウマ等を思うとキツい。
高校生のとき、知人から人づてで列車の運転士さんの体験談を聞いたことがある。年配の女性が両手を合わせ、線路のど真ん中にすわりこんでいたらしい。そのときの光景が、悪夢になっていつまでも消えないそう。同じ辛い思いをしている鉄道会社の人は大勢いるだろうね。
昨日観た映画も、自殺志願者によって起きたパニックが物語のテーマとして描かれていた。
『大空港』(原題:Airport)という1970年のアメリカ映画。航空パニック映画の『エアポート』シリーズの最初の作品で、『ポセイドンアドベンチャー』や『タワーリング・インフェルノ』というパニック映画の先駆けとなった映画。
シカゴにある架空のリンカーン空港が映画の舞台。10年に1度という大雪が降って、着陸した旅客機が滑走路で雪だまりにはまって立ち往生してしまう。どうにかして滑走路から除去しようとするが、降り続く雪のせいでにっちもさっっちもいかない。
そんなとき、この空港からローマに向かった国際便に緊急事態が起きる。借金がかさんで生きる意欲を失った男性が、ダイナマイトを持ってその便に乗った。多額の生命保険をかけて、妻に遺産を残すつもりだった。
その爆弾魔をつかまえるために様々なドラマが進行するけれど、最終的に旅客機の後方で爆弾が爆発して機体に大きな穴が空いてしまう。犯人はそのことで自殺を遂げられたけれど、このままで乗客全員が巻き添えになってしまう。
急きょリンカーン空港に引き返すが、先ほどの立ち往生した旅客機が滑走路を封鎖している。刻一刻とタイムリミットが近づくなか、パイロットや空港職員等の命をかけた活躍を描いたパニック映画になっている。
主演の空港長も飛行機を操縦するパイロットも、女性関係に問題があるどうしようもない人物。そういう意味では『タワーリング・インフェルノ』のスティーブ・マックイーンやポール・ニューマンのようなかっこいいヒーローじゃない。
だけどいざ仕事なると、必死で取り組む姿はなかなかよかった。特殊撮影もこの時代にしては素晴らしかったと思う。前半はもっさりした人間ドラマがちょっとウザいけれど、後半のパニックシーンはかなり迫力のある内容だった。無事に帰還した機長と空港長の、その後のややこしそうな人生が気になるけれどねwww
とにかく何百人もの命が犠牲になったかもしれないという、かなり迷惑な自殺の物語だった。
ブログの更新はFacebookページとTwitterで告知しています。フォローしていただけるとうれしいです。
『高羽そら作品リスト』を作りました。出版済みの作品を一覧していただけます。こちらからどうぞ。