『死』を見た後の心の変化
CDが売れなくなった音楽業界において、ライブは貴重な収入源となっている。それゆえライブの質はアーティストの人気に直結する。先日参加したエド・シーランのライブでも、また行きたいと思わせる素晴らしいものだった。
そんなライブのすごさを感じる映像がある。先日このブログで紹介したテイラー・スウィフトの新曲である『ME!』のライブ映像に興奮した。Billboard Music Awardの授賞式で行われたライブで、もちろんデュエットしているブレンドン・ユーリーも共演している。
見てもらったらわかると思うけれど、こんなステージを見せられたら、一発でノックアウトだよな。
そしてもうひとつ、同じ会場でのマドンナのライブ。彼女は久しぶりのニューアルバムがリリース直前で、『Medellin』という新曲をすでに出している。マルーマとコラボした曲だけれど、このライブがめちゃめちゃすごい。プロジェクションマッピングを使っているのかな?
方法はわからないけれど、ステージのマドンナの周辺に本物のようなダンサーが登場しては消える。この魔法に思わず目を奪われてしまう。さすがマドンナ。とにかくこの映像を見たら、ボクの言っているすごさがわかると思うよ。
人生を変える一瞬というのはあると思う。ミュージシャンたちはそんな体験を提供することで、大勢の人に支持されているんだと思う。
そんな人生を変える一瞬を経験した少年の物語がある。それは音楽ではなく『死』を見たことによるものだった。
『スタンド・バイ・ミー』という1986年のアメリカ映画。おそらくボクは少なくとも10回以上は観ていると思う。スティーブン・キングの原作だけれど、この物語には悪魔も幽霊も出てこない。だけど『死』がさりげなく、映画を観ている人に忍び寄る。
説明するまでもない有名な映画なので、内容は割愛しよう。もし観たことがない人がいたら、絶対に観るほうがいい。特に少年時代を経験したことのある男性なら、きっと何かを感じると思う。
この映画に登場する4人の少年は、それぞれが心に『何か』を抱えている。優秀だった兄の死だったり、犯罪者の父親だったり、貧乏だったり、狂った父親だったり。だけど同じ目的に向かって、4人は旅をする。
それは行方不明になっている少年の死体を探すためだった。警察は必死になって行方を調査していた。だからたとえ死体であっても第一発見者になれば、一躍有名人になれる。ただそれだけの動機だった。
だけどラスト近くで同年代の少年の死体を発見した4人には、目に見えない大きな変化が訪れる。旅の往路と復路では、明らかに4人の様子がちがう。この映画の見どころはこの部分だと思う。『死』を見たことによって、彼らは子供から大人への階段を登り始める。
こうしていしつか子供時代が終わるんだよね。この映画を見ていると切なくなって、胸がキュンとしめつけられる。若くして亡くなったけれど、クリスを演じたリバー・フェニックスは、何度見てもかっこいいよなぁ。中年になった彼を見たかったから、とても残念に思う。
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