バイオリズム下降時の対処法
ボクが10代のころ、バイオリズムというのが流行した。いまで言うところのエセ科学なんだけれど、星占いのようにもてはやされた時代があった。
身体、感情、理性にそれぞれリズムがあって、それらが総合してバイオリズムという人間のサイクルを構成しているというもの。身体は23日、感情は28日、そして理性は33日の周期で好不調をくり返す。だから3つのリズムが微妙に乱れたり並んだりする。
これは誕生日を基準としたリズムなので、それだけでいい加減なものだとわかる。人間の身体、感情、そして理性が、誕生日を起点にしたリズムをくり返していることに、子供ながらも違和感を持っていた。それも綺麗な正弦波でリズムが構成される。人間の感情や身体はそんなにシンプルなものじゃない。
ただボクは、人間にそうしたリズムが存在すると思っている。バイオリズムのように規則正しい波形を示さないだけ。
身体の調子はいいのに、どうも感情がついていかない。あるいはその逆のパターンもある。あるいはすべてにおいて絶好調だと思える日があれば、何をやっても最悪な状態のこともある。
ボクの場合は、肉体、感情、理性という範囲を超えてリズムをとらえている。そこには天気や、報道される事件、あるいは個人的な出来事まで含む。つまり自分に起きるすべてのことに関して、特定のリズムがあると感じている。うまく言語化できないけれど、目に見えない波のようなものを感じる人はあると思う。
たとえば、天気予報では大雨なのに、不思議と傘を持たずに外出して帰ってきたというようなことも、そのリズムに含まれる。そしてリズムのバランスがいいときは、次々にうれしいことが身の回りに起きる。
自分と周囲の世界がひとつの交響曲のようなものを構成していて、ある特定のいい流れを確実に集めてキャッチしてしまう。まさに絶好調という感覚。
ところがその正反対のことがある。やることなすことうまくいかない。雨には降られるし、バスの乗客にマナーの悪い人がいるし、数ヶ月書いた小説がボツになるし、腰痛がひどくなるし、そのうち体調まで悪くなってくる。というようなこともあるんだよねwww
バイオリズムとちがうところは、美しい正弦波を構成しないということ。上昇も下降も、前触れなしに突然やってくる。それだけに辛くてしんどかったり、うれしくて天にも昇るような気持ちになったりもする。とにかく予測がつかない。
問題はバイオリズムが下降局面に入ったと感じたときにどうするか? ということ。
これに関しては、ボクもいろいろと試行錯誤してきた。自分なりにリズムを取り戻すための方法を考えてみたこともある。だけどそのうち無駄だとわかってきた。下降状態のときは、台風が通過するようにやり過ごすしかない。
つまり、抵抗しないのがもっとも最適な対処法だと自分なりに理解している。あっ、やばい下降の波が来た。そう思ったときは、あえて淡々と仕事をする。そこで手を止めたり落ち込んだりしていると、上昇局面に向かうまでかえって時間がかかる。
何事もない(心では泣いていても)かのように、淡々とやるべきことをやる。決して無理せず、とにかく一歩でも前に足を進める。ボクはそれしかないと思う。抵抗してもがけばもがくほど、深みにはまっていくような気がする。
コツコツやることを先人たちが奨励するのは、こういうことだと思うんだよね。下降の波が来ても上昇の波が来ても、淡々とことを進めていく。その地道な日々が、結果として以前よりも確実に前進するための秘訣なんだと思う。
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