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高羽そらさんインタビュー

何が大切かで道が分かれる

たかだか50年ほどの人生だけれど、物心ついたころから現在まで、大勢の人と出会い別れてきた。典型的なのが小学校だろう。6年間も同じ学校にいたのに一度も話さなかった人もいれば、6年のうち5年も同じクラスだった友人もいた。そんな人でも、いまはどうしているのかわからない。

 

ボクのように転職をくり返した人間は、社会人になっても同じことを感じる。初めて出勤したときは、定年までそこで働くつもりで出社している。ボクの世代は終身雇用が普通の時代だったから、そう思うのも無理はない。

 

だから同僚、上司、後輩たちとは、永遠に近い付き合いのように感じる。だけど同じ道を歩んでいるはずなのに、いつかしかまったくちがう道を歩いている。同じ職場にいるのに、なせだかそうなってしまう。

 

同じように見えて、人間は大切にしているものがちがう。そしてそれは変化していく。だからいまの自分の職場にそれがないことを感じたら、ちがう道に進むしかない。こんなことを考えているのは、ある映画を観たから。

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『コクーン2/遥かなる地球』(原題:Cocoon: The Return)という1988年のアメリカ映画。久しぶりに『コクーン』という映画を観たので、同じく超久しぶりに続編を観た。

 

1作目もかなり忘れていたけれど、この続編はさらに記憶がない。見直してその理由がわかった。正直に言うと、これは失敗だよなぁ。この映画は1作目で完結しておけばよかったと思う。おそらく20代のころのボクも、同じようなことを感じたんだろうね。だからあまり記憶に残っていないのだろう。

 

ただそんな映画でも、それなりに感じることがある。1作目で永遠の命を得るために旅立った老人たち。続編では大きな地震でコクーンが破壊される可能性があるので、宇宙人たちはコクーンの回収のために地球を再訪した。


そのついでに、3日間の限定で老人たちが地球に里帰りする。それは前回でもレギュラーだった3組の夫婦。しばらく地球を感じて、宇宙人とともに戻るつもりだった。だけどこの3組の運命は大きく変わる。

 

ジョーは地球に戻ったことで白血病が再発する。だけどまた宇宙に戻れば大丈夫。ところが妻は交通事故にあってしまう。彼女の命を救うため、宇宙人に与えられた能力を使ってしまい、命を落とすことになる。妻が事故にあったのは、保母の仕事を受けていて、子供の命を救うためだった。結局彼女は、宇宙に戻らずに保母として地球で生きることを選択する。

 

夫の死もあるけれど、自分が必要とされることが何よりもうれしかったから。それは夫の遺言でもあった。彼女にとって大切なのは、人に必要とされることだった。


ベン夫婦は、最終的に家族と暮らすことを選択する。孫のデヴィッドと離れたくないし、妻の一言がベンを決断させた。「子供たちが先に死ぬのは耐えらえない」という妻の言葉によって、二人は地球に残ることを決める。

 

アートはちがった。彼は老人の妻と結婚したばかり。ところが宇宙にいたことで、彼女は妊娠する。70代で妊娠なんて考えらえないけれど、アンタレス星にいたことでそうなったらしい。だけど地球では産めない。宇宙船に乗って戻るしかない。


二人にとって大切なのは、新しい子供の命。その子のために親友だった二組の夫婦と別れて宇宙に戻ることを決める。結局、この夫婦たちはまったくちがう道を進むことになった。


映画としてはイマイチだけれど、この展開はよかったと思う。人間の人生は、その人が何を大切にしているかで決まる。そんなことを感じられただけでも、この映画を観た価値はあったと思っている。

 

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高羽そら|たかはそら(作家、小説家)プロフィール

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高羽そら(たかはそら)
今後の目標:毎年1つの物語を完成させたいと思います。
生年月日:昭和37年5月10日
血液型:A型
出身地:京都市

【経歴】
1962年京都市生まれ。数年前に生活の拠点を神戸に移してから、体外離脱を経験するようになる。『夢で会える 体外離脱入門』(ハート出版)を2012年1月に出版。『ゼロの物語Ⅰ〜出会い〜』、『ゼロの物語Ⅱ〜7本の剣の守り手〜』、『ゼロの物語Ⅲ〜次元上昇〜』の3部作を、2013年7月〜12月にかけて、オフィスニグンニイバよりAmazonのKindleにて出版。現在も新たな物語を執筆中。

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