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高羽そらさんインタビュー

知ってるつもり、という錯覚

さて、いきなりだけど問題を出そう。

 

湖面にスイレンの葉が並んでいる。その面積は毎日2倍になる。48日で湖面全体がスイレンの葉で覆われるとすると、湖の半分が覆われるまでには何日かかるか?

 

「24日」という答えが頭に浮かんだかな? ほとんどの人はそう思うかもしれない。だけど答えはちがう。

 

じっくり考えるとなんてことない。答えが「47日」だというのがわかるはず。もしわからない人は、問題をよく読んでほしい。

 

ではもうひとつ。

 

5台の機械を5分間動かすと、製品が5つできる。100台の機械で100個の製品を作るには、何分かかるか?

 

「100分』と答えた人が多いかも。でもそれはまちがい。正解は5分。

 

この問題は、人間が深く考えずに知っているつもりで答えを導き出すことを証明するための問題。ひっかけ問題なんだけれど、多くの人がまちがった答えを導き出してしまう。

 

そんな人間の『知っているつもり』について書かれた本を読んだ。この問題もその本に書かれていたもの、

 

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『知っているつもり 無知の科学』スティーブン・スローマン&フィリップ・ファーンバック著という本。

 

認知科学者である二人が人間の無知について書いた本。めちゃめちゃ面白くて、とても勉強になった。これはかなりオススメだよ。

 

結論から言えば、人間は自分が思っているより『無知』だということ。ただ不思議なことに、なんでも知っているようなつもりでいる。だけどこの二人にかかったら、そんな化けの皮を剥がされてしまうだろうwww

 

著者はこの無知を『知識の錯覚』と呼んでいる。ボクたちひとりの人間が脳に保存している知識は、実はそれほど多くない。表層的な部分しか知らず、なんとなくわかったような気持ちでいるだけ。

 

なぜそう錯覚させるのか? それは知識の保存場所が特殊だから。

 

ひとりの人間が保有している知識は微々たるもの。だけど世の中には専門家が多くいる。そして図書館や書店に行けば、くわしいことが書かれた本が並んでいる。さらにネット社会が浸透したことで、いつでも必要な知識を手にすることができる。

 

つまり自分の脳の外にある知識なのに、まるで自分が知っているような気になっている。自分と他者との境界線が曖昧になっていて、他人の知識を自分が保持しているように思ってしまう。それが『知識の錯覚』というもの。

 

でもそれは人間として普通のことで、そうして人間社会は進化してきた。だから著者たちは責めているわけじゃない。その境界線を意識することで、自分が本当は思っているよりも『無知』であることを自覚することが大切。そして謙虚になって他人の知識を活用すればいいだけ。

 

ただ問題点もこの本で指摘されている。それはコミュニティにおける『知識の錯覚』というもの。これはちょっと怖い。事実がどうであるかに関わらず、周囲の意見に対して無条件に同調してしまうというもの。

 

心ではまちがっていると感じることでも、コミュニティの総意に影響されてしまう。これは宗教的な知識だったり、風評被害をもたらすような集団的なデマも含まれる。理性よりも感情が優先されるので、『知識の錯覚』を自覚できなくなるそう。

 

戦争や暴動というのは、コミュニティにおける「知識の錯覚』から起こるのかもしれないね。だからこそ自分が『無知』であることを自覚するのは大切だと思う。この本を読めば、自分の『無知』についていい意味で学べると思うよ。

 

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高羽そら|たかはそら(作家、小説家)プロフィール

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高羽そら(たかはそら)
今後の目標:毎年1つの物語を完成させたいと思います。
生年月日:昭和37年5月10日
血液型:A型
出身地:京都市

【経歴】
1962年京都市生まれ。数年前に生活の拠点を神戸に移してから、体外離脱を経験するようになる。『夢で会える 体外離脱入門』(ハート出版)を2012年1月に出版。『ゼロの物語Ⅰ〜出会い〜』、『ゼロの物語Ⅱ〜7本の剣の守り手〜』、『ゼロの物語Ⅲ〜次元上昇〜』の3部作を、2013年7月〜12月にかけて、オフィスニグンニイバよりAmazonのKindleにて出版。現在も新たな物語を執筆中。

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