僕が失った二つの授かりもの
あぁ、うっとしい。面倒だよなぁ。
何かといえば歯の治療。先週の金曜日に歯の定期検診に行った。いつもの4ヶ月ごとのもの。ただ少し気になったところがあったので、お世話になっている歯科医の先生に診てもらった。
レントゲンを撮られた結果、治療することになった。ずっと昔、おそらく高校生時代に直した箇所があって、かなり古い処置をされていた。そのすき間に雑菌が侵入したことで炎症を起こしていた。ということで来週からしばらく歯医者通いをすることになった。
きっちり直してもらえるからそれはいい。ただ歯医者さんは治療に時間がかかるのが面倒。ちょっとやっては翌週。少しチェックしてはまた翌週。こんな調子なのであっという間に1ヶ月が過ぎてしまう。なんとか今月中に治療が終わればいいんだけれど。
この歯の治療にうんざりしていて、あることを思い出した。
それは大切な授かりものを、ボクは二つも失ったということ。もちろんその一つは、この歯のこと。
あまり意識したことがなかったけれど、小学生のころのボクは歯に恵まれていた。妻に言わせると、いまでも歯科矯正をしたかのように歯並びがいいそう。そのせいか知らないけれど、小学校6年生のときに歯の健康優良児ということで表彰を受けたことがあった。
親のおかげだと思うけれど、丈夫な歯をもらったんだね。そして永久歯に変わるときに、うまく切り抜けたんだと思う。ところがそんなボクの歯は、いまや治療のあとがいくつも残っている。
その元凶は自分でもよくわかっている。中学校3年生のころから高校生時代にかけて、かなり荒れた生活を送ってしまった。不良仲間と深夜まで遊び、タバコを吸ったり酒を飲んだりしていた。酒を飲むわけだから、おつまみも食べる。
つまり歯の健康に関しては最悪の環境だった。深夜まで遊んでいる不良が、ものを食べたからといって歯磨きなんてしない。当然ながら虫歯になるし、それさえも放置する。気がついたときには、大切な歯を抜くしかない状態だった。
もったいないことをしたよね。いまのように歯を大切にしていたら、歯を削ったり抜くことをしなくてよかったのに。いまの年齢になってマジで後悔している。
そしてもうひとつ失ったものがある。それは『絵心』というもの。
ボクは絵を描くのが苦手。といってもそう思い込んできたことで、完全に絵心を失くしてしまったんだと思う。実は小学生の低学年のとき、写生で描いた絵が学校で選ばれ、賞を取ったことがある。そして展覧会のような場所に展示された。
そのまま素直に絵を好きでいれば、絵心を失わなかったかもしれない。だけど小学校の高学年のとき、ある教師の指導方法が原因で絵を描くことが心の底から嫌になってしまった。このことは過去のブログで書いたことがあるので、あえてここでは触れない。
とにかく絵を描くことが嫌いになった。というよりは、恐怖を覚えるようになった。ひたすら怖い。だからその怖さを手なずけるためには、自分は絵が苦手で下手なんだ、と思い込むことにした。だから絵を描いて人に見せることなんて二度としなくていい。
そう自分に無意識で暗示をかけた。そしてその暗示は現在まで完璧に機能している。だからこの洗脳を解くのは難しい。絵を描こうなんて思いもしないし、その行為が嫌いだと本気で思っている。でも客観的に考えると、あえて自ら絵心を失ったんだと思う、
せっかくの授かりものだった『健康な歯』と『絵心』を、ボクは失ってしまった。やっぱりもったいないな。
まぁだけど人生はトレードオフ。この二つを失って得たものも必ずあるはず。知らんけどwww
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