普通であることが正義じゃない
イベントとしてすっかり日本に定着したハロウイン。今日明日は、いよいよ本番かな?
我が家のマンションでも、子供向けにイベントが行われる。ミュージシャンやハリウッド俳優のInstagramをフォローしていて、この時期はハロウイン用の仮装写真を見るのがめちゃ楽しい。
我が家も黒猫がいるのでインスタ映えの写真を撮りたいところ。だけど人間にすれば70歳近いじい様なので、寝てばかりでモデルになる気はゼロ。仕方ないよなぁ。
ということで映画だけでもハロウイン気分を味わうため、先日久しぶりに観た映画の続編を鑑賞した。
『アダムス・ファミリー2』(原題:Addams Family Values)という1993年のアメリカ映画。この作品も久しぶりなので、ほとんど内容に記憶がない。だから初めて観る気分で新鮮だった。
アダムス一家に赤ちゃんが誕生する。そこで招いたベビーシッターがこの家族を危機におとしいれるというストーリー。驚いたのはこのベビーシッター役であるデビーを、ジョーン・キューザックが演じていたこと。観たはずなのに、まったく記憶になかった。
『ワーキング・ガール』に出演したのが1988年なので、それから5年後の作品。だけどこの映画の彼女はとても若く見えて、かつ美しかった。いつもはクセのある脇役が多いから、今回の悪女役はとても新鮮だった。映画がスタートすれば、彼女らしさが出た素晴らしい雰囲気だったけれどね。いい女優さんだね。
ストーリーは相変わらずはちゃめちゃ。ひたすら笑い続けていた。やっぱり最高なのはウェンズデーを演じているクリスティーナ・リッチだろう。この映画を面白くしているのは、子役である彼女の演技力だと思う。
前回の1作目のときにも触れたけれど、この映画はただのコメディじゃない。実はとても奥深いメッセージがこめられている。今回2作品を見直すことで、そのことを痛感した。
『普通であることが正義じゃない』ということを、この映画は強く訴えていると思う。
アダムス一家は普通とはちがう。だけどそれは見た目や信条だけ。家族愛にあふれ、自分たちの幸せに向かって力強く生きている。他人をおとしいれようとか、犯罪を犯そうという気持ちは微塵もない。
ところがウェンズデーが参加したサマーキャンプの子供たちやその家族は、普通だけれど正義じゃなかった。他人とちがうことを悪のように扱い、マイノリティーを否定しようとする。同調圧力をかけることで、同じ思想を持つことや行動を強制してくる。
これは明らかな暴力であり、社会問題となっているイジメを誘発している元凶でもある。先住民族をバカにする舞台劇をさせようとする大人や、いい子ぶった子供たちに対して、ウェンズデーとパグズリーの二人が本番で反乱を起こす。
笑いつつも、マイノリティーたちの怒りと悲しみを強く感じた。よく観たらすごい映画だと思う。他人に迷惑をかけずに自分らしくあること。それこそが本当の幸せだとアダムス一家は教えてくれる。久しぶりに観て、とても清々しい気持ちにさせてもらえた。
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