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高羽そらさんインタビュー

映画をより深く観るコツ

いよいよ2019年が押し詰まってきた。といってもボクは帰省もしないし、海外旅行へ行くわけでもない。いつもと同じように過ごしつつ、お雑煮を食べたりするだけ。だからニュース等で他人の大移動を見ながら楽しんでいる。

 

明日くらいからは帰省ラッシュが始まるのかな? そして海外へ旅行に行く人も増えるだろうから、空港は大混雑するだろう。ボクは空港が大好きで、あれほど楽しいアミューズメント施設はないと思っている。そんな空港のことを考えていたので、ある映画が観たくなった。

 

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『ターミナル』という2004年のアメリカ映画。スティーブン・スピルバーグ監督でトム・ハンクスが主演している。ボクはこの映画が大好きで、何度も観ている。

 

でもせっかく同じ映画を観るのなら、ただ漫然と観るのはもったいない。ボクは小説の勉強も兼ねて映画を観ているので、同じ映画を何度も観るときはあることを心がけている。そのことによって、好きな映画をより深く理解できるから。

 

初めて観る作品はストーリーを追うことが中心になってくる。当然ながら主人公の気持ちで映画の世界に入ることで、その物語を理解しようとする。2回目ぐらいもそんな雰囲気で観ている。

 

だけど3回目以降になると、少しだけ観る方法を変える。それは『物語の視点を移動する』ということ。

 

勧善懲悪の作品なら、3回目以降は悪役の立場になって映画を観る。いやもっと積極的に、その悪役を応援する気持ちで観る。どれだけ悪いやつでも赤ちゃんのころがあったわけだし、家族もいるだろう。そんな身内の気持ちになって悪役を応援する。

 

恋愛映画なら、主人公たちの恋愛を邪魔する人物の応援をする。ヒューマンドラマなら、主人公を苦境に立たせる人物の立場に視点を置く。そうするだけで、映画の世界観が微妙にちがってくる。最初には見えなかったことが少しずつ理解できる。そういう作品は、優れた作品だと認定していいと思う。

 

だから今回のボクの視点は、先ほどの写真のスタンリー・トゥッチに置いた。彼を主人公にした映画だと思って観るようにした。この映画はトム・ハンクス演じるビクターの祖国がクーデターによって一時的に消滅して、空港から出られなくなるという物語。

 

笑いつつも大勢の仲間との友情や、CA役のキャサリン・ゼタ=ジョーンズとの恋愛も描かれている。そして父と息子の物語でもある。そんなビクターの邪魔をするのがスタンリー演じるディクソンというJFK空港の警備主任。

 

ディクソンはこのまま順調に行けば局長になることが決まっていた。とても優秀な男で、麻薬の運び人や密入国者をかぎ分ける鋭い能力を持っている。だからこそビクターにトラブルを起こされたら困る。それで空港から追い出して、責任逃れをしようとする。

 

空港にはいくつも防犯カメラが仕掛けられていて、常にビクターを追っている。だけどそのカメラは、同時にディクソンの視点でもある。だから彼が出演していないシーンでも、カメラによって彼を意識するように構成されている。この物語の真の目撃者は、ディクソンだといっても過言じゃない。

 

ある意味自己中心的な人物なんだけれど、視点を変えて見ていると彼の本質が善人であることがわかる。不法入国をしている職員や、ルールを犯している職員がいるのを知っている。それでいて彼らの能力をかっているディクソンは、これまでそのことを黙認してきた。結構いいやつなんだよね。

 

それがラストシーンに現れる。空港を脱出したビクターを苦笑しながらも追おうとしない。かといって警察にも通報しない。この微妙な役どころを、スタンリー・トゥッチが見事に演じている。『プラダを着た悪魔』のときの彼も大好き。

 

そのうえ悪役もできる。『ラブリー・ボーン』という映画で彼が演じていた殺人鬼はマジで怖い。コメディ的な彼の演技しか知らない人は、この映画を観たら同じ俳優さんだとは思えないはず。映画の楽しさは、こういうところにあるんだろうね。

 

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高羽そら|たかはそら(作家、小説家)プロフィール

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高羽そら(たかはそら)
今後の目標:毎年1つの物語を完成させたいと思います。
生年月日:昭和37年5月10日
血液型:A型
出身地:京都市

【経歴】
1962年京都市生まれ。数年前に生活の拠点を神戸に移してから、体外離脱を経験するようになる。『夢で会える 体外離脱入門』(ハート出版)を2012年1月に出版。『ゼロの物語Ⅰ〜出会い〜』、『ゼロの物語Ⅱ〜7本の剣の守り手〜』、『ゼロの物語Ⅲ〜次元上昇〜』の3部作を、2013年7月〜12月にかけて、オフィスニグンニイバよりAmazonのKindleにて出版。現在も新たな物語を執筆中。

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