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高羽そらさんインタビュー

ホラー映画の恩恵に納得した

怖いものほど見たくなる、という人間の心理がある。だからホラー小説やホラー映画は、いつの時代になっても作られている。

 

ボクはスティーブン・キングの全作品読破を試み中だけれど、彼の作品はかなりヤバイものが多い。だけどついつい読んでしまう。もちろんそれは著者の才能ゆえのことだろう。だけどそれ以外に、ホラーというジャンルが持っている特質があるのかもしれない。

 

そのことを笑いながら理解させてもらえる映画を観た。

 

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『マチネー/土曜の午後はキッスで始まる』(原題:Matinee)という1993年のアメリカコメディ映画。

 

物語の舞台は1962年10月のフロリダ州キーウェスト。この時期、世界中を震撼させる恐ろしい事件が起きた。それはキューバ危機というもの。

 

アメリカとソ連が核戦争の一歩手前までいったという出来事。ボクはまだ赤ちゃんだったので知らないけれど、映画やドキュメントを通じてその恐ろしさをなんとなく感じている。だけど当時の人は本当に怖かったと思う。

 

そのうえこの映画のキーウェストはキューバーのすぐ近く。物語の主人公は高校生のジーン。彼の父親は海軍の兵士で、ジーンたち家族は基地で暮らしている。そしてもう一人の主人公がB級ホラー映画監督のウールジー。このユニークなキャラを写真のジョン・グッドマンが好演している。

 

そう言えば『アルゴ』という映画でも、ジョン・グッドマンは映画監督役で登場した。そのときは、イラン大使館のアメリカ人を助けるためにCIAが考案した架空映画の監督を熱演していた。

 

このウールージーとジーンの交流が映画のメイン。キューバ危機は街の住人をパニックにおとしいれた。それがどれほどのものだったか、このコメディ映画で知ることができた。デマが飛び交い、誰もが疑心暗鬼になっている。

 

そんなとき、売れない映画監督であるウールジーが自分の再起をかけて『アリ男』の映画を公開した。だけどそのままでは客にウケない。それで彼は知恵を絞る。客席を加工して振動するようにしたり、先ほどの写真のアリ男を客席に潜り込ませてリアルな恐怖を提供しようと企画した。

 

これはいまではディズニーランドやUSJのアトラションで普通にやっていること。でもこの当時の人にすれば、すごい演出だよね。なぜ彼はここまでして観客の恐怖をあおろうとするのか。

 

それについてウールジーがジーンに語るシーンがある。映画を観たあと恐怖に満ちて映画館を出る。するとそこには日常が待っている。恐ろしい映画を観た人はホッとする。恐怖がフィクションだったと気づく。そして自分が平和に暮らしていることに感謝し、生きる意欲を育てることができる。そのためにホラー映画を作っているんだと語った。

 

ボクはこのシーンが大好きになった。この映画全体に満ちている『映画愛』が結実した瞬間だと思う。そしてこの映画のラストで、ウールジーが語るホラー映画の恩恵が本当に起きる。

 

様々な偶然とウールジーの演出が重なってしまい、映画を観ている人がついに核戦争が起きたと思ってしまった。そしてパニックになって外に出ると、いつもの平和な街が待っていた。そして同時にキューバ危機が去ったというニュースを耳にする。

 

このあたりの構成が素晴らしくて、笑いながらも生きている幸せを実感させてもらえる素晴らしい作品だった。

 

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高羽そら|たかはそら(作家、小説家)プロフィール

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高羽そら(たかはそら)
今後の目標:毎年1つの物語を完成させたいと思います。
生年月日:昭和37年5月10日
血液型:A型
出身地:京都市

【経歴】
1962年京都市生まれ。数年前に生活の拠点を神戸に移してから、体外離脱を経験するようになる。『夢で会える 体外離脱入門』(ハート出版)を2012年1月に出版。『ゼロの物語Ⅰ〜出会い〜』、『ゼロの物語Ⅱ〜7本の剣の守り手〜』、『ゼロの物語Ⅲ〜次元上昇〜』の3部作を、2013年7月〜12月にかけて、オフィスニグンニイバよりAmazonのKindleにて出版。現在も新たな物語を執筆中。

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