才能ある女性はカッコいい
今日のボクのInstagramのタイムラインは、受賞が決まったグラミー賞に関する写真であふれている。フォローしている人のほとんどがお気に入りの俳優さんとミュージシャンだから。
今回のノミネートでボクのイチオシはビリー・アイリッシュ。まだ18歳だけれど、昨年の勢いから言えばなんらかの賞を受賞することは確信していた。ところがフタを開けてみると、そんなボクの予想なんてぶっ飛んでいた。
なんと4部門も独占受賞していた〜〜! 最優秀レコード賞、最優秀アルバム賞、最優秀楽曲賞、そして最優秀新人賞の4部門を独占してしまった。1981年のクリストファー・クロス(懐かしい名前だなぁ)以来39年ぶり、史上2人目の快挙だった。すごすぎる!!!
ということでビリーの受賞に拍手を送りたいので、彼女の最新曲のミュージックビデオをリンクしておこう。『everything i wanted』という曲。彼女の曲を作曲している兄が出演している。そして映像の監督はビリー自身。彼女らしい、独特の曲と映像に仕上がっている。
そしてもうひとり、ボクが拍手を送りたい女性がいる。それは昨日読了した小説の主人公。
『だいこん』山本一力 著という小説。18世紀後半の江戸を舞台にした時代小説。久しぶりに時代小説を読んだけれど、めちゃめちゃこの作品が好きになってしまった。それは主人公のつばきが最高にカッコいい女性だから。
つばきの父は優秀な大工。ただ腕の立つ職人なのに、酒ぐせが悪いのと、博打に手を出すのが困ったところ。それでも人情味のある父親で、家族のことを大切にしている。つばきは三人娘の長女で、幼いころから父が博打で作った借金ゆえに貧乏暮らしを強いられる。
やがてつばきはとんでもない才能を持っていることがわかる。それはご飯を美味しく炊くという才能。どんなお米でも、彼女が炊くと最高のご飯に変身する。そしてそれに加えて、とてつもない商才のある女性だった。
わずか18歳で「だいこん」という一膳飯屋を経営する。美味しくて安い、だから客は殺到する。つばきが苦難に向き合うたび、そこから逃げずに次々と壁を乗り越えていく姿が微笑ましく、そしてカッコいい。
この時代に恐ろしいのは火事と大雨。この小説でも大火事や大洪水がつばきたちに襲いかかる。さらに彼女の成功を妬む連中が、さまざまな妨害を仕掛けてくる。でもつばきは強運を持っていた。苦難に遭遇するたび、彼女を助けてくれる人に出会う。
この小説が素敵なのは、そうした粋な人物が大勢登場するところ。ページを繰っているいるだけで、当時の江戸にタイムスリップしたような気分になってくる。つばきは好きな人もいたけれど、『だいこん』のために結婚はあきらめた。それほど自分の店を愛していたから。
その才能ゆえ、彼女の勢いは止まらない。二軒目の店まで構えて大繁盛させる。ところがこの物語のラストで、つばきはそれまでの店を他人に売り渡してしまう。そして深川に新しい『だいこん』を建てる。
それはある人物に喧嘩を吹っかけられ、それに対抗するため。深川で成功しなければ意味がない、とまで言われたことで、それまでのすべてを手放して深川で一から店を始める。そこでこの小説が終わってしまうんだよね。
ということで続編がある。そのタイトルは『つばき』という彼女の名前。彼女のその後が気になるので、近いうちに読もうと思っている。
ビリーといい、つばきといい、才能ある女性はカッコいいよね〜〜!
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