音が見えると、心が共鳴する
待ち人来たらずではなく、待ちメール届かず。
待ち焦がれていたのはシャープからのメール。シャープのマスク販売の抽選に応募したけれど、当選メールは届かなかった。470万人のうち446万人には当選メールが届かないという倍率だから仕方ないなぁ。
でも今回の抽選に漏れても、自動的に2回目の抽選にはエントリーとなっている。まぁ、そのうち買えるだろう。その前に政府支給の布マスクが早く届くことを期待して待っていよう。
どうも小説の投稿で落選慣れしているせいか、選外となることを淡々と受け入れている自分がウザい。悔しいはずなのに、やせ我慢しているような気がしてならない。そんな心が殺伐としているときには、爽やかな映画を観るのが一番。今日観た映画は、心に5月の薫風が流れるような素晴らしい作品だった。
『羊と鋼の森』という2018年の日本映画。原作は宮下奈都さんの小説で、2016年に本屋大賞を受賞している。この小説を読んだときの感動が忘れられなくて、映画化されたら観ようと思っていた。
いや〜、とても素晴らしい映画だった。たしかに小説のほうが人物設定は細かいし、人間ドラマも深い。だけどこの作品は映画としての完成度が高く、ボクは原作以上かもと感じた。
それは主演した山崎賢人さん、そして脇を固めた三浦友和さん、鈴木亮平さんたちの演技ゆえだと思う。原作のイメージを超えて、この映画独自のキャラが見事に立っていたように思う。
この物語はピアニストを目指す姉妹が大きく影響してくる。その姉妹役を、上白石萌音さんと上白石萌歌さんという、本物の姉妹が共演しているのが良かったと思う。この二人がいい雰囲気だったなぁ。
タイトルを見ていると動物が出てきそうだけれど、これはピアノの調律師の物語。ピアノは羊の毛のフェルトを使ったハンマーで鋼のピアノ線を鳴らすから。主人公の外村は高校生のとき、あるピアノの調律師と出会ったことで自分の人生を決める。
そして専門学校で学んだ外村が就職したのは、その調律師が経営する楽器店。まだ見習い同然の外村が、ラストでは一流の調律師を目指すことを決意するという物語。様々な人との出会いを通じて、成長していく主人公の姿が描かれている。
新しい作品なので詳細は省くけれど、とにかく音が見える作品だと言っていい。原作では文字が音として聴こえてきたけれど、映画では音が見えた。そしてその音が主人公に関わる人々に共鳴していく。感動の涙を流しながら心のなかを爽やかな風が吹き抜けていく作品だった。
とにかく映像が美しい。光と影をうまく使うことで、登場人物の心が的確に表現されていた。中盤で中だるみする雰囲気はあったけれど、全体として最後まで主人公に共感できた。この作品のおかげで気持ちのいい午後を過ごすことができたなぁ。抽選に外れたけれどねwww
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