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高羽そらさんインタビュー

人を見た目で判断する愚かさ

人間というのは分類好き。例えば音楽の判断基準はいいか悪いかなのに、その曲がロックなのか、それともヒップポップなのかという分類をすることで評価を決めつけてしまうことがある。

 

これは他人を見るときも同じ。典型的なのが人種差別。肌の色のちがいで優劣を決めてきたことを、現代人は否定できないはず。とにかくステレオタイプの判断基準が横行していて、それらが他人の本来の姿を見えなくしている。

 

それがどれだけ愚かで無意味であるかを、感動とともに教えてくれる映画を観た。笑いながらもハートウォーミングになれる素晴らしい作品だった。

 

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『ヴィンセントが教えてくれたこと』(原題:St. Vincent)という2014年のアメリカ映画。

 

オリヴァーという少年が、離婚訴訟中の母親と一緒に引っ越してきた。隣人はヴィンセントという仕事を引退して自堕落な生活をしている老人。ベビーシッターが見つからない母親は、仕方なくヴィンセントに費用を払ってオリヴァーの面倒を見てもらう。

 

ヴィンセントはとにかく金に困っている。預金はすでにマイナスだし、ヤバイ連中からの借金もある。競馬が大好きでギャンブルがやめられない。そのうえアルコール依存症一歩手前。ヴィンセントが心を許しているのは飼い猫と、たまに相手をしてもらう売春婦のダカだけ。

 

だけどよくあるパターンで、ヴィンセントはオリヴァーの面倒を見ているうち、少年に大して愛情を抱くようになる。ここまでは定番。でもこの映画は後半が少し異なる。

 

ヴィンセントが脳卒中で倒れたことで、彼がオリヴァーを競馬場に連れて行ったり、酒場に出入りしていたことがバレる。それが裁判で不利な条件となり、オリヴァーの母親は息子の親権を父親との共同にするという判決を受ける。怒り狂った母親は息子に対して、二度とヴィンセントに接触しないように言い聞かす。

 

だけどオリヴァーは、そんな自堕落なヴィンセントの本当の姿を知っていた。彼はベトナム戦争で自分の命を捨てる覚悟で多くの戦友を助けたヒーローであり、認知症で入院している妻を心から愛し続ける男だった。金が必要なのは、妻を少しでもいい施設に預けたいという一心だった。

 

夫の自分のことさえわからない妻の洗濯物を、ヴィンセントは施設から持ち帰って洗濯していた。施設でやってもらえるのに、それしか自分にはできないと思っていたから。そして脳卒中で入院しているあいだ、最愛の妻の死に立ち会うことができずに落胆している姿をオリヴァーは見ていた。

 

そこでオリヴァーはヴィンセントの素晴らしい面に関する証拠を集める。そして学校の発表会において、オリヴァーにとっての『聖人』としてヴィンセントのことを大勢の前で紹介する。このシーンに心が動かされ、ボクの涙腺は崩壊してしまった。いやぁ、本当にいい映画だったなぁ。

 

ヴィンセントを演じたビル・マーレイはさすがの演技。エンドロールで最後まで自堕落な彼の姿が流れるのも最高。やっぱり見た目はクソジジイだったwww

 

そして売春婦を演じたナオミ・ワッツもいい雰囲気だった。もちろんオリヴァーを演じた子役のジェイデン・マーテルは天才。調べてみたら『ITそれを見たら終わり』というスティーブン・キングの原作映画で、子供時代の主人公であるビル・デンブロウを演じていた。なるほどと納得。

 

人を見た目で判断する愚かさを、コメディを通して教えてもらえる素敵な映画だった。

 

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高羽そら|たかはそら(作家、小説家)プロフィール

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高羽そら(たかはそら)
今後の目標:毎年1つの物語を完成させたいと思います。
生年月日:昭和37年5月10日
血液型:A型
出身地:京都市

【経歴】
1962年京都市生まれ。数年前に生活の拠点を神戸に移してから、体外離脱を経験するようになる。『夢で会える 体外離脱入門』(ハート出版)を2012年1月に出版。『ゼロの物語Ⅰ〜出会い〜』、『ゼロの物語Ⅱ〜7本の剣の守り手〜』、『ゼロの物語Ⅲ〜次元上昇〜』の3部作を、2013年7月〜12月にかけて、オフィスニグンニイバよりAmazonのKindleにて出版。現在も新たな物語を執筆中。

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