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高羽そらさんインタビュー

最後の難関は自分を許すこと

依存症の恐ろしさを知るのに、本当に依存症になる必要はない。映画という素晴らしいコンテンツがあるから。

 

依存症といってもアルコールもあれば、薬物もある。日本ではギャンブル依存症も問題になっている。依存症となった本人はもちろん、その人の身近な家族にとっても地獄だろう。だからこそ恐ろしさを知っておくべき。

 

そしてそこから立ち直る姿を見ることで、人間として学ぶべきことがいくつもあるように思う。もちろんそれは完全なフィクションよりも、実話を元にした作品のほうがいいだろう。

 

アルコール依存症から立ち直る主人公の実話映画を観て、依存症の怖さを知っただけでなく、人間として大切な何かを感じることができた。

 

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『ドント・ウォーリー』(原題:Don’t Worry, He Won’t Get Far on Foot)という2018年のアメリカ映画。日本公開は2019年。

 

実在の漫画家であるジョン・キャラハンの半生を描いた伝記映画。このジョンを演じたのは、いまや飛ぶ鳥を落とす勢いのホアキン・フェニックス。最近は彼の映画を観ることが多く、ボクはすっかりファンになってしまった。そのうえボクがめちゃ注目している女優である、写真のルーニー・マーラーも共演している。

 

ジョンは捨て子で孤児院育ち。赤毛の母親だったという程度のことしかわからない。なぜ母親は自分を捨てたのか? そのことばかり問い続けて生きてきた。そこには母を求める気持ちと憎しみが同居していた。

 

そんな屈折した少年時代を過ごしたジョンは、13歳になって酒の味を知る。そしてそのままアルコール依存症としての人生を送ることになる。ある日、友人と飲み歩いて泥酔する。その友人もアル中気味で、運転は友人に任せた。だけど友人は事故を起こし、ジョンは四肢麻痺となってしまう。

 

ジョンは絵が得意だった。かろうじて動かせる手で漫画を書くことを覚え、やがてその作品が注目されるようになる。だけど漫画は彼をアルコール依存症からは救ってくれなかった。

 

『体操している若い女性たち』という死神を見るようになったジョンは、アルコール依存症から立ち直るプログラムを主催しているドニーに助けを求める。そして仲間たちと助け合いながら、そのプログラムを実行していくという物語。

 

ストーリーはシンプルだけれど、依存症から立ち直っていく姿は映画を観るのが一番。ホアキン・フェニックスの演技が完璧に生きている。ジョンの心にあるのは怒りだった。なぜ自分がこんな目に合うんだ。なぜ母親は僕を捨てた。そんな怒りがアルコールを引き寄せていた。

 

プログラムの進行に伴って、ジョンは怒りを手放し、許すことを実行していく。そして実際に怒りを感じていた人物の一人ひとりに会って、自分の謝罪を伝えていく。母親は行方不明なので、ジョンは自分が書いた母の絵に向かって『僕を捨てたあなたを許す』と口にした。とても切ないシーンだった。

 

そしてプログラムのラストは、自分を許すこと。アルコール漬けになって四肢を麻痺させてしまった自分を受け入れなければいけない。事実だけに劇的なドラマはないけれど、ジョンの魂が葛藤する様子をホアキン・フェニックスが見事に演じていた。

 

言葉にできない前向きな『何か』を心に残してくれる素晴らしい作品だった。

 

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高羽そら|たかはそら(作家、小説家)プロフィール

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高羽そら(たかはそら)
今後の目標:毎年1つの物語を完成させたいと思います。
生年月日:昭和37年5月10日
血液型:A型
出身地:京都市

【経歴】
1962年京都市生まれ。数年前に生活の拠点を神戸に移してから、体外離脱を経験するようになる。『夢で会える 体外離脱入門』(ハート出版)を2012年1月に出版。『ゼロの物語Ⅰ〜出会い〜』、『ゼロの物語Ⅱ〜7本の剣の守り手〜』、『ゼロの物語Ⅲ〜次元上昇〜』の3部作を、2013年7月〜12月にかけて、オフィスニグンニイバよりAmazonのKindleにて出版。現在も新たな物語を執筆中。

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