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高羽そらさんインタビュー

人が理性を維持できる限界とは?

動物には生存本能がある。危険が迫ったらなりふりかまわず戦うか、できる限り素早く逃げる。状況によっては、大人しい動物でも残酷な行動を選択するだろう。

 

それは人間だって同じ。追い込まれたら必死で逃げるか戦うだろう。自分を守るために、他人の命を奪うことさえあるかもしれない。

 

だけど人間には理性や倫理観がある。できる限り非道な行動に走ることがないようブレーキがかかる。ただし、そのブレーキは完璧じゃない。限界を超えたらリミッターが外れてしまう。

 

人間が理性を維持できる限界とは?

 

ただそのことだけを追求したような映画を観た。

 

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『ディヴァイド』という2012年のアメリカ、カナダ、ドイツの合作映画。

 

映画の始まりと同時に、ニューヨークで核戦争が起きる。街は壊滅状態で、次々とビルが崩れ落ちる。いわゆるパニック映画だと思って観ていたけれど、すぐにそんな雰囲気はなくなってしまった。

 

あるアパートの地下に9人の男女が避難した。主人公はエヴァという20代くらいの女性で、婚約者の弁護士であるサムも一緒。その地下はアパートの管理人であるミッキーが密かに作っておいたシェルターだった。運よく入り込めたのはミッキーを含めた9人だけ。

 

ここから物語の様相が一変する。食料はわずかしかない缶詰と水。かろうじて下水に直結する『ボットン便所』はある。バッテリーで照明もしばらくは大丈夫。

 

ただし外の様子がわからない。核ミサイルが落とされたという程度の情報しかない。登場人物だけでなく、映画を観ている人も同じ。多少の言い争いはありながらも、どうにか9人は折り合いをつける。一人だけ少女もいたから、どうにか誰もが理性を保っていた。

 

やがて地下室の入り口で大きな音がした。救助に来てくれたと思って期待すると、入ってきたのは防護服に身を包んだ兵士たちだった。兵士たちは助けるどころか少女を拉致して、さらに他の男女を殺そうとする。

 

兵士の一人を殺すことで、どうにか危機を脱する。だけど少女はさらわれたまま。さらに兵士たちは地下室から出られないよう、外からドアを溶接してしまった。つまり食料がなくなれば死ぬしかない。

 

そこから狂気が始まる。まず最初に狂ったのは娘を奪われた母親。やがて管理人のミッキーと他の男性たちとの関係もヤバくなる。ミッキーが金庫に大量の食料を隠していることがわかったから。

 

このあとはひたすら狂気の映画。エグい作品が苦手な人は絶対に観ないほうがいい。ボクも久しぶりにこの手の映画を観て、さすがに気分が悪くなった。映画の終盤まで修羅場が続く。少女の母親は男たちに殺されてしまうし、残る女性のエヴァの運命を想像するだけで鳥肌が立つ。

 

結論を言えば、そのエヴァだけが地下室から脱出することができる。どうしてそうなったかを知りたい人は映画をどうぞ。だけどエグいのは覚悟しておいたほうがいいよwww

 

とにかく戦争の理由も、外にいた兵士たちも何をしていたのかわからない。なぜ少女を拉致したのかも不明。兵士が地下室へ侵入したのは、唯一脱出するエヴァが着る防護服を地下室に存在させるためだけだと思う。

 

エンディングでスッキリすることを期待する人は、この映画を観てもイライラするだけ。まったく背景事情が分からないから、ひたすら人間が狂気に落ちていく様子を見せられるだけ。でも登場人物たちが壊れていく姿は、映像として一見の価値はあるように思う。

 

ようやく防護服を着て地上に出たエヴァを待っていたのは、壊滅したニューヨークの街。遅かれ早かれ彼女も理性を維持できなくなるんだろうなぁ、と思わせるラストシーンだった。

 

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高羽そら|たかはそら(作家、小説家)プロフィール

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高羽そら(たかはそら)
今後の目標:毎年1つの物語を完成させたいと思います。
生年月日:昭和37年5月10日
血液型:A型
出身地:京都市

【経歴】
1962年京都市生まれ。数年前に生活の拠点を神戸に移してから、体外離脱を経験するようになる。『夢で会える 体外離脱入門』(ハート出版)を2012年1月に出版。『ゼロの物語Ⅰ〜出会い〜』、『ゼロの物語Ⅱ〜7本の剣の守り手〜』、『ゼロの物語Ⅲ〜次元上昇〜』の3部作を、2013年7月〜12月にかけて、オフィスニグンニイバよりAmazonのKindleにて出版。現在も新たな物語を執筆中。

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