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高羽そらさんインタビュー

子供に信仰の自由はない

特定の宗教を信仰する人が少ないボクたち日本人は、外国の映画を観てもピンとこないことがある。それは家庭やその地域における、宗教との強いつながり。

 

キリスト教だとカソリックやプロテスタントの区別だけでなく、新興宗教も含めるとすごい数になる。イスラム教でも多くの宗派に分かれていて、専門家でないと区別がつかない。

 

そうした宗教や宗派のちがいによって、様々なドラマが生まれる。これは日本の映画ではあまり物語の題材とならない。そんな外国映画を観ていて、ボクがよく感じることがある。

 

信仰の自由というのが認められている国がほとんど。国教として定められていても、自分が信じる宗派を選ぶことが可能な国が多い。だけど子供にとって、信仰の自由などないに等しい。ほとんどが両親の信仰する宗教を押し付けられているはず。

 

だけど現在では、アメリカでも無神論者という人が増えてきた。大人になって親に押し付けられた信仰を捨てる人がいるからだろう。あるいは柔軟な発想を持った両親のもとで育てば、宗教に対する広い視野を子供に持たせているかもしれない。

 

その一方で、新興宗教的な宗派はいまだに子供への強制力が強い。ボクが子供のころに暮らしていた家の向かいは、ある大手宗教団体の支部だった。普通の家なんだけれど、日曜日になると大勢の人が集まる。

 

そこには子供の姿もあって、同級生を何人も見かけたことがある。その子たちが自分の意思で来ているかどうかわからない。だけど最初に連れてきたのは親だろう。

 

昨日読了した小説は、両親に新興宗教を押し付けられた男の復讐劇だった。

 

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『特捜部Q  〜Pからのメッセージ〜』ユッシ・エーズラ・オールスン著という本。

 

デンマークのベストセラー小説である『特捜部Q』シリーズの第3作目。第1作目の映画を観たのをきっかけに、原作も映画も第2作目まで完了。このブログでも紹介したけれど、主人公の刑事であるカールと、助手のアサドのコンビの活躍にハマっている。

 

この第3作目も凶悪な連続殺人事件。今回の犯人の手口はパターンが決まっている。狙うのは新興宗教を信仰する子だくさんの家。

 

兄弟を誘拐して、身代金を要求する。特殊な新興宗教の家族は、他人との関わりを避けている。だから身代金をせしめたあと、兄弟のひとりを殺して、もう一人だけ親に戻す。そして他人に話せば一家を全滅させると脅す。その手口で数えきれない子供たちを手にかけていた。

 

犯人がここまで新興宗教にくわしいのは、彼がそうした家庭に育ったから。両親によって信仰を強制され、そのことで親から虐待を受けていた。思春期になって両親を殺して自由になるけれど、宗教に対する怒りが消えない。それであらゆる新興宗教を信じている親たちに復讐するため、恐ろしい犯罪に手を染めていた。

 

いくつもの名前を持ち、身分証明書も偽造している。慎重な犯人で、素顔が全く見えない。だけどカールとアサドのコンビは、じわじわと犯人を追い詰めていき、どうにか事件を解決するという物語。

 

この『特捜部Q』シリーズは、かなり込み入った物語が多い。それゆえに面白い。これまで読んだ3作では、この作品が最高に面白かった。カールとアサドの隠された過去も少しずつ明かされてきたので、次の作品が楽しみ。

 

そして第2作目から秘書になったローセという女性が、想定外のいいキャラになってきた。この作品の途中で、ローセは警察に出てこなくなり、その代わりに双子の妹のユアサが秘書として働き始める。まったくキャラのちがう双子で、カールとアサドは困惑する。

 

だけどラスト近くで真相がわかる。ローセは多重人格の病気を持っていて、ストレスが限界を超えるとユアサという人物が登場する。捜査側にこんな特殊な人物を置いたのは、物語としてめちゃめちゃ成功している。もしかしたら第4作では、ローセはまた別のキャラで登場するかもwww

 

とりあえず第4作目を読む前に、この第3作目の映画を近いうちに観る予定。映画のカールとアサド、そしてローセも大好きなので、この3人に会えるのが楽しみ。

 

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高羽そら|たかはそら(作家、小説家)プロフィール

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高羽そら(たかはそら)
今後の目標:毎年1つの物語を完成させたいと思います。
生年月日:昭和37年5月10日
血液型:A型
出身地:京都市

【経歴】
1962年京都市生まれ。数年前に生活の拠点を神戸に移してから、体外離脱を経験するようになる。『夢で会える 体外離脱入門』(ハート出版)を2012年1月に出版。『ゼロの物語Ⅰ〜出会い〜』、『ゼロの物語Ⅱ〜7本の剣の守り手〜』、『ゼロの物語Ⅲ〜次元上昇〜』の3部作を、2013年7月〜12月にかけて、オフィスニグンニイバよりAmazonのKindleにて出版。現在も新たな物語を執筆中。

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