マスクは国内生産するべき?
まもなく7月になろうとしているのに、新型コロナウイルスが収束する気配はない。関西ではかなり感染者を抑えているが、首都圏はむしろ増加している。県境を超えての移動が認められている現状では、関西で再び感染が広がっても不思議じゃない。
だからマスクは手放せない。ゴールデンウイークが終わってマスク価格が暴落した。それゆえ我が家でも購入できるようになり、当面は心配する必要のない数を確保している。だけどそれらはすべて中国製。
国産マスクであるシャープのマスクを申し込んでいるけれど、なかなか100倍の壁を越えられない。常に840万人ほどの人が登録している状態なので、国産の使い捨てマスクは気長に待つしかない。
布製マスクだと、最近ではユニクロが新商品を売り出した。洋服の青山や、アイリスオーヤマも国産マスクを生産している。それは中国産のマスクに頼っていたことで、今年の春に極端なマスク不足を経験した結果だろう。
まだコロナの不安が消えない現状において、国内生産のマスクを増産していくべきなのだろうか?
そのことについて検証した記事を読んで、色々と考えさせられた。
アメリカ人のコメンテーターが書いた記事。大統領補佐官が、トランプ大統領に向かってこのような発言をしたそう。
「大統領、今回の危機が我々に教えたことの一つは、ペニシリンなどの医薬品、マスクなどの医療用品、人工呼吸器などの医療機器について、我々が国際供給網に危険なほど依存しすぎていたということです」
これは日本のマスクや防護服も同じ。それゆえシャープ等がマスクの国内生産に踏み切ったんだと思う。だけどこのコメンテーターは、世界中にそうした傾向があることを警告している。
いまや世界はどこかで繋がっていて、貿易によって国家が成り立っている。だけど輸出や輸入を制限して保護貿易に走ることは、これまで作り上げてきた経済基盤を破壊することになりかねない、という主旨。
生産基盤を持つ国は鎖国をすることで国民を守ることができるかもしれない。だけどそうでない国は大勢の命が危険にさらされる。経済的な損失を考慮しても、自由貿易を破壊することは避けるべきだ、ということが書かれている。
ボクもその意見には賛同する。日本人やアメリカ人という意識ではなく、地球人という概念を育てるべきだと思う。そうすることで各国の特性を生かし、世界中の人が助け合っていけるだろう。
だけど現状を考えると、それは悲しい理想でしかない。世界的な組織である国連もWHOも機能不全を起こしている。そして例に出して悪いけれど、新型コロナウイルスがパンデミックを起こす直前、マスクや防護服を買い占めて輸出を制限した中国のような国も存在する。
世界中が今回のような危機に陥ったとき、必要な物資が何で、どのように世界全体で供給を維持していくのか? そうしたことの合意が国家間においてできていない限り、どうしても鎖国のようなことが起きてしまうと思う。
いまの国連や世界貿易機関(WTO)のそんな力はない。だったら緊急時に備えて必要な物資は国内生産するしかない、という結論になってしまう。
悲しいけれど、それがいまの地球の現状なんだと思う。
ブログの更新はFacebookページとTwitterで告知しています。フォローしていただけるとうれしいです。
『高羽そら作品リスト』を作りました。出版済みの作品を一覧していただけます。こちらからどうぞ。
コメント (0件)
現在、この記事へのトラックバックは受け付けていません。
コメントする