クリスチャンとアナに再会したい
あぁ、今日のボクは言葉にできない喪失感を抱えている。いつかこの日が来ると思っていたけれど、ホッとしつつも強烈な寂しさを感じている。
それはあるシリーズ小説を完全読了してしまったから。
『フィフティ・シェイズ・フリード』下巻 E・L・ジェイムズ著という小説。3部作となっている『フィフティ・シェイズ』シリーズの第3部の下巻を読了。これでクリスチャンと、アナスタシアことアナの物語が完結してしまった。あの二人に会えないと思うと、本気で悲しい。
上巻の感想については『先に映画を観てよかった』という記事に書いているので参照を。この感想でも書いたように、映画を先に観ていたのでハッピーエンドになるのを知っている。だから下巻も安心して最後まで読めた。
だけどやっぱり映画とちがって、めちゃめちゃ内容が深い。そしてエピソードも多い。アナの元上司が起こす誘拐事件に関しても、映画より原作のほうがずっと迫力があった。妊娠しているアナが元上司にお腹を蹴られながらも銃で反撃するシーンは最高だった。
そして映画ではカットされていたクリスチャンの心の闇が解消されていく様子も、原作では完璧に描かれていた。ある意味この問題が、このシリーズを通じて語られてきたことだから。なぜクリスチャンが性的倒錯に至るようになったのか、少年時代の心の屈折がようやく明かされる。そして感動で涙が止まらなかった。あまりに素敵な文章だったので、ボクのパソコンのメモに書き写したほど。
さらに映画より素敵なシーンがあった。映画では長男が無事に生まれて、お城のような家でクリスチャンとアナと息子が過ごすシーンで終わる。だけど原作では3歳になった長男だけでなく、アナのお腹には妹がいた。なんて幸せなエンディングなんだろう。
第1作目のクリスチャンを見ていると、彼があんな素敵なパパになるなんて信じられない。つまり彼は、この3部作を通じてもっとも変化した人物だろう。それを助けたのは、何度危険な目にあってもクリスチャンを見捨てなかったアナのおかげ。
原作には素敵なオマケがあった。幼いころのクリスチャンを語り手にした短編。さらにクリスチャンが初めてアナと出会ったときの、クリスチャンを視点とした物語が掲載されていた。懐かしいシーンを読み返しながら、クリスチャンはこんなことを考えていたんだ。とニンマリしながら楽しむことができた。
できることならこのシリーズの続編ができないかなぁ。だってボクは本気でこの二人が好きになってしまったから。子供たちを育てながら、大企業のCEOであるクリスチャンと、出版社の社長となったアナのその後を知りたい。いつか二人に再会できることを、ボクは本気で期待している。
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