現状維持でもレベルは上がる
またまた一年でもっとも大変なことをやる時期がやってきた。いや、すでに始まっている。
それは大掃除。我が家では年末に大掃除をしない。なぜなら寒くてきっちりと掃除ができないから。だから夏の暑さが終わり、本格的な紅葉がやってくるいい季節に大掃除を済ませてしまう。この時期なら外に出ても寒くないし、身体もよく動く。
以前は春と秋の2回を大掃除に当てていたけれど、さすがにオジサンには辛い。だからここ数年は秋に限定して大掃除をやっている。といっても毎日しているわけじゃない。一日置きで、2時間を限度としている。これなら疲れることなく掃除ができる。
大掃除は普段手をつけないところだから、どうしても時間がかかる。だから疲れてくると、掃除がいい加減になってしまう。ある程度満足のいく掃除をするためには、疲れない程度に続けるのがベスト。だからスタートしてから完了するまで1ヶ月ほどかける。
掃除というものは汚れを綺麗にするというより、現状維持の継続だといっていい。なぜなら新品のときは綺麗だった。それが基本だということ。その状態を現状だと認識すれば、掃除は現状維持のための行為だと言える。つまり現状維持ほど努力の必要なものはないということ。
だから大掃除が終わっても、綺麗になったという印象はない。やっと元の状態に戻ったという感覚。もちろん経年劣化で落ちない汚れもあるので、その現状は少しずつ変化している。
ただ現状維持とはいえ、毎年続けていると要領が良くなってくる。過去の失敗や苦労がフィードバックされるので、事前にうまく対応できる。だから毎年同じようなことをやっているようでも、より効率的でレベルの高い仕事をしているはず。
もし4年前のボクといまのボクが、よーいドンで大掃除を始めたとしたよう。どちらがより早く、より綺麗にできるか。おそらく圧勝するのはいまのボク。現状維持の行為を行っているだけでも、そのレベルは確実に上昇している。
実はこれは掃除だけでなく、小説を書くことについても言える。いまボクは、4〜5年ほど前に書いた小説をリノベーションしている。ライトノベル向きの作品なので、改稿して投稿するため。ただ読み返してマジで驚いた。
なんてひどい文章なんだろうwww あまりにひどくてマジで笑い転げた。人称はめちゃくちゃだし、辻褄の合わないことだらけ。よくこんな作品を投稿したものだと、本気で恥ずかしくなった。
そして落選したときに落ち込んだ自分に対して、お前アホやろうとしか言えないwww タイムマシンがあれば、落ち込んでいるボクを怒鳴り散らしてやるだろう。
だけどその当時はそれが現状だった。精一杯だった。それからいくつも作品を書き、多くの映画を観て小説を読んだ。こうして毎日ブログも書いている。
だけどレベルが上がっているという実感はない。毎日同じことを繰り返すことで、現状維持しているだけ。昨日よりレベルが下がることのないよう、日々もがいているだけ。
だけど結果として、その繰り返しによってレベルは確実に上がっている。以前のボクがまったく見えなかったことが、いまのボクは明確に感じることができる。だからいまのボクの現状と合致するよう、過去の小説を全面的に書き直している。
『継続は力』というのは事実。だけどあえてレベルアップを意識することはない。まずは現状維持を意識して休まず続けること。そうすれば必ず以前よりもレベルが上がっている。大掃除でも、そして小説を書くことでも、そのことを実感している。
明日が今日と同じ1日だとしても、手を抜かずに現状維持を心がけていれば、確実に前へ進んでいる。そのことを忘れないようにしたいと思う。
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