派手な演出に隠れているもの
ここのところミュージシャンのコラボが楽しい。昨日、ショーン・メンデスとジャスティン・ビーバーのコラボ曲がリリースされた。『Monster』というタイトル。だけどボクがうれしくて興奮したのは、マイリー・サイラスとデュア・リパのコラボ。
公開されたばかりのミュージックビデオを見たけれど、これが本当にすごい。ひと言で語るなら『エロキモい』という感じ。血を連想させる映像が続くし、同性愛を感じさせる雰囲気もある。たしかマイリー・サイラスはバイだと言っていたはず。それだけにリアル感が強かった。
マイリー・サイラスが有するロック魂と、デュア・リパが得意とするダンスミュージックが融合したような曲で、『Prisoner』というタイトル。
かなり派手な演出をされたビデオだけれど、当然ながらこれは彼女たち二人の真の姿じゃない。見た目の派手さとちがって、二人とも自分たちの音楽にとても真摯に取り組んでいる。だからこそいまの音楽シーンから消えることなく活躍しているのだろう。
これはいい意味での見た目だけれど、あまり関心しない派手な演出をした映画がある。
『2012』という2009年のアメリカ映画。スピリチュアルの世界では、2012年はアセンションのときだと思われていた。それはマヤ暦が2012年で終わっていることで、世界の週末を意味すると解釈されたから。もちろん特に何も起きなかった。ボクの初めての本が出版されたくらいかなwww
この映画はそんなマヤ暦の終わりをテーマにしたパニック作品。ジョン・キューザックが売れないSF作家のジャクソンを演じていて、次々と襲いかかる危機を乗り越えていく物語。
この映画の素晴らしいのはCG。アメリカの西海岸が地割れするシーンや、ニューヨークやワシントンが津波に飲み込まれていくCGはマジで見入ってしまう。映画の前半から中盤にかけては、このCGの質の高さに圧倒されてしまう。
ただこの映画のいいところはそれだけ。物語としてはかなり駄作で、どの人物にも感情移入できない。ラスト近くで展開される人間ドラマも、ただ時間の長さを感じさせるだけ。その理由はわかっている。生き残っている人間たちの理由が最悪だから。
地球の崩壊を自覚した各国政府は、協力することで『ノアの方舟』を建造した。だけどその船に乗れるのは、結局はセレブたちだけ。主人公たちはある事情で乗船することになったけれど、それ以外の人は権力や金にものを言わしてきた人たちばかり。
だからそれ以外の多くの人間は、わけもわからず命を落としている。派手なCGの演出で目をそらされているけれど、とてつもない数の人命が失われている。ほとんどの人間を見捨てて自分たちだけ生きようとしている人が、船内でどんな人間ドラマを演じても心に響かない。
ラストでジャクソン一家が助かって大勢が拍手をするシーンなんて、正直言ってしらけてしまう。お前たちが見捨てた人たちへの想いはどうなっているんだ? と詰問したくなる。結局、この映画は前半のCGシーンを作りたかっただけなのかも。久しぶりに観たけれど、そんなことしか感じない作品だった。
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