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高羽そらさんインタビュー

ジャックと寅さんの共通点

小説でも映画でも、シリーズが長く続くのは主人公が魅力的だから。アメリカでベストセラーとなり、邦訳されていない作品も含めてシリーズが継続している小説がある。その主人公の名はジャック・リーチャーで、映画ではトム・クルーズが演じている。

 

そのジャックがこの世に初めて登場した作品を読了した。本当に魅力的なキャラで、この作品がシリーズ化されているのがわかる。そしてとても面白いことに気がついた。ジャック・リーチャーのキャラが、ある日本映画のキャラとよく似ている。

 

その日本映画はシリーズ化作品として有名。なんと2019年の作品も入れて50作も公開されている。だからシリーズ化されるキャラには共通点があるのかもしれない。その映画のタイトルは『男はつらいよ』で、主人公はいうまでもなく、寅さんこと車寅次郎。

 

ジャック・リーチャーと車寅次郎に共通点があると感じたのは、ボクだけかもしれないけれどねwww

 

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2021年 読書#14

『キリング・フロアー」下巻 リー・チャイルド著という小説。上巻の感想については『本物のジャック・リーチャー!』という記事に書いているので参照を。

 

最後の最後まで手に汗を握る、最高のハードボイルド小説だった。上巻の感想でも書いたように、映画のジャックとはかなりキャラがちがう。背は高いし金髪だし、女性関係も柔軟。ただ一途なところがあって、この作品で恋仲となるロスコーという警察官との愛をつらぬいている。

 

ジョーージア州にあるマーグレイブという小さな街が物語の舞台。偶然訪れたジャックは、上巻で殺人犯の濡れ衣を着せられる。すぐに疑いは晴れたけれど、殺されたのはずっと会っていなかった彼の兄のジョーだった。それゆえ犯人に復讐するため、ジャックはこの街に残る。

 

詳細は割愛するけれど、結果的にこの街は偽札作りに関与していた。アメリカのドル紙幣は国内で印刷することは難しい。専用のインクが売買されただけで、財務省にマークされてしまうから。マーグレイブの街の町長や権力者は、組織がらみの偽札の仲介を行なっていた。

 

印刷するのは海外で、完成した偽札を輸入して国内で使う。街の住人には怪しい行動を通報されないよう、週に千ドルという裏金が配られていた。もちろんそれは精巧にできた偽札なんだけれどね。

 

この街が関与していたのは偽札の紙を調達すること。印刷は海外でやるけれど、もっとも入手困難なのは紙を手に入れること。そこで思いついたのが、アメリカ全土から1ドル札を集めてくる。アメリカの紙幣は世界の紙幣と異なる性質がある。

 

それはどの紙幣もサイズが同じということ。だから1ドル紙幣の印刷を科学処理で白紙に戻し、それを使って100ドル紙幣を海外で印刷させていた。1ドルが100ドルに化けるわけだから、そりゃ儲かるよね〜〜www

 

ジャックの兄はその犯罪を追求していて殺された。最終的にはジャック、ロスコー、そしてフィンレイという刑事の活躍で事件は解決する。というよりジャックのやり方はすさまじく、関与していた悪人の全員を殺してしまった。このあたりのキャラも、映画のジャックと少しちがう。だけどボクは原作のジャックの方が、人間味があって好ましく感じた。

 

さて寅さんとの共通点に触れておこう。ジャックは本気でロスコーを愛していた。だから彼女との将来を考えている。だけど彼の本質は放浪者。ひとつの街に留まるという生活ができない。

 

だけどロスコーは街ぐるみの犯罪を暴いたことで、街の再建を願っていた。だから生まれ故郷を捨てることができず、マーグレイブに残ることを決めた。二人は愛し合っていたけれど、別れは必然的だった。ジャックはロスコーと一緒に放浪すことを望み、ロスコーは彼と一緒に街に残ることを望んだ。

 

だから二人はうまくいかなかったという結末。このシーンを見て、ボクはやっぱり寅さんを思い出した。

 

あの寅さんは、一度だけ新婚生活をしたことがある。相手はリリーという浅丘ルリ子さんが演じる歌手。結局、放浪歴のある寅さんはリリーとの生活を続けることができなかった。それでまた旅に出てしまう。

 

だからこそ寅さんはシリーズ化できたんだよね。そしてジャックも、新しい街で次のマドンナが待っている。だからこそシリーズとして長く続いているのだろう。ということで次のジャックのお相手に会うのが楽しみだなぁ。

 

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高羽そら|たかはそら(作家、小説家)プロフィール

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高羽そら(たかはそら)
今後の目標:毎年1つの物語を完成させたいと思います。
生年月日:昭和37年5月10日
血液型:A型
出身地:京都市

【経歴】
1962年京都市生まれ。数年前に生活の拠点を神戸に移してから、体外離脱を経験するようになる。『夢で会える 体外離脱入門』(ハート出版)を2012年1月に出版。『ゼロの物語Ⅰ〜出会い〜』、『ゼロの物語Ⅱ〜7本の剣の守り手〜』、『ゼロの物語Ⅲ〜次元上昇〜』の3部作を、2013年7月〜12月にかけて、オフィスニグンニイバよりAmazonのKindleにて出版。現在も新たな物語を執筆中。

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