メタメッセージは人間の本能
初めて目にした言葉が気になった。『メタメッセージ』というもの。
それで検索していると、この記事にぶつかった。
メタメッセージについて、リンク先の記事にはこう書かれている。
『言語以外の情報から発信が本来の意図を超えること、と定義される。発信者の表情や声のトーン、逆説的な解釈や裏の意図などの「行間」を読まれることで起きるとされる現象』
簡単にいえば、メッセージが発信者の意図とちがう形で受け取られてしまうこと。新型コロナウイルスの感染拡大によって、このメタメッセージが目立っているらしい。実例がいくつかあげられている。
午後8時以降の外出自粛を→昼間なら外出を控えなくてもよい
「3密」を避けましょう→3つ重ならければ大丈夫
会食は感染リスクが大きい→食事をしなければ集まってもOK
なるほどね。たしかにこうした傾向があるのは事実。だからリンク先の記事の結論は、メッセージを発する人は詳細に。そして情報を受ける人はメタメッセージに惑わされないように、というもの。
だけどボクは思う。そんなん無理ちゃう?
なぜなら、メタメッセージは人間の本能だと思うから。言葉や文字だけでなく、相手の仕草や雰囲気を読むことで、より深く相手のメッセージを理解しようとする。そうすることで人間は進化を遂げてきた。『行間を読む』というのは、人間のコミュニケーションにとって欠かせないものだと思う。
そうでなければ法律なんてできない。憲法を制定しても、それだけで犯罪やトラブルが発生しないなんてあり得ない。だから憲法に則して刑法や労働法が考案され、それに基づく省令や通達が数えきれないほど発信される。
それは先ほどのメタメッセージの例と同じこと。ある法律を作っても、その裏をかく人間は必ず出てくる。だからそれを防ぐために新たな文章を追加する。メッセージが発信者の意図どおりに伝わらないなんて、普通のことだと考えるべき。
そもそも小説や映画は、メタメッセージによって成り立っている。登場人物のセリフや地の文だけでなく、仕草や雰囲気によって『何か』を伝えようとする。それが物語の伏線であったり、主人公の心情を表現していたりする。曲解されるからといって、それらをいちいち詳細に説明していたら物語は成立しない。
物語が人間の世界から消えないのは、人間が『深読み』を本能としているからだと思う。だからメタメッセージなんて、あって当然だと自覚しておくべき。それゆえ医療関連等の情報については、他人のデマに惑わされない客観的な視点を持って接するべきなんだろう。
だけど行間を読むのは本能だからね。相当強く意識しないと、どんな人でも自分が手にした情報をメタメッセージに変換している可能性があると思う。
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