ゲームの映画化は難しい?
いまや映画の原作は小説だけでなく、コミックやゲームから映画化されることが増えた。ボクの場合ゲームは30年ほど前のファミコンで時間停止しているので、最近のゲームはまったく知らない。
だけど『バイオハザード』というゾンビ映画がゲームを元にした作品であることは知っている。この映画がファイナルまで6作も作られたということは、その世界観がうまく実写化できたということかな? ボクはこの映画を第3作までしか観ていないし、ゲームも知らないのでなんともいえない。
今日観た映画も、ゲームのストーリーやキャラを原案としたものだった。
2021年 映画#49
『アサシンクリード』(原題: Assassin’s Creed)という2016年のアメリカ映画。現在と過去をオーヴァーラップさせた作品で、ボクとしてはとても好きな世界観だった。特にテーマとなっているのが『自由意志』で、ちょうどいま書いている新作小説と同じなので真剣に観てしまった。
日本人には理解しづらいだろうけれど、聖書にあるアダムとイブの物語が元になっている。神の意向に逆らってエデンの園でリンゴを食べた二人。そのリンゴこそが人間の自由意志を暴発させたものだと見られている。
そのリンゴは実在していて、アサシン教団というのが所有者を守ってきた。一方そのリンゴを手にしようと躍起になっているのがテンプル騎士団。人間世界から自由意志を奪い取って争いのない平和な世界にするため、15世紀にこのリンゴをめぐって両者は激しく争った。
そのときアサシン教団のアギラールが、リンゴをどこかに隠した。それ以来、現在までそのありかがわかっていない。これが映画の前提。
現在になってもテンプル騎士団は活動していた。各国の政治の中枢に入り込むことで、国家予算を使ってリンゴを探そうとしていた。そして目をつけられたのがアギラールの直径子孫。子孫のDNAには記憶が継承されているはず。その子孫がカラムというこの映画の主人公。
死刑囚だったカラムは最初は協力する。ある装置を使って遺伝子をリンクさせ、15世紀のアギラールの記憶と同期することでリンゴの秘密を探る。ところがテンプル騎士団の目的は世界平和ではなかった。
このリンゴがあれば、人間の自由意志を奪って世界を操ることができる。その陰謀を知ったカラムとアサシン教団の子孫たちが、現在のテンプル騎士団と戦うというストーリー。
とまぁ、かなり複雑な物語。最初に書いたように、ボクとしてはこの世界観がかなり気に入っている。ゲームとしても楽しめそうな気がする。ただこの映画に関しては、かなり微妙な印象が拭えない。
15世紀のアクションシーンがすごく素敵なのに、現在の世界とかぶり過ぎてウザい。さらに世界観の説明がわかりづらく、ゲームを知らないボクとしてはかなり混乱した。そのうえカラムを助ける現在のキャラたちが明確に描かれていない。共に戦うのなら、もう少し彼らのことを知りたかった。
おそらくゲーム経験者なら楽しめたのかも。だけど映画しか観ていない人は、途中で少し退屈になってしまうような気がする。ゲームの世界を映画化するのは難しいのかもしれないね。
ということは6作も映画化されている『バイオハザード』は、かなりうまく実写化できたということ? だったらもう一度最初の作品から通して観てみようかなぁ。
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