ミャンマー情勢に何ができる?
ミャンマーで軍部によるクーデターが起きて2ヶ月が過ぎた。抗議デモは激しくなる一方で、NHKの報道によると治安部隊の発砲によって、これまで536人が命を落としている。
ミャンマーはビルマと呼ばれていたころから日本との関係が深い。それはいい意味でも、悪い意味でも。それゆえあの国の出来事は、無視してはいけないように感じている。ただ一般の日本人であるボクたちに何ができるのだろう?
そんなことを、ある記事を読んで感じた。。
祖国が軍事クーデターに揺れる「東京のミャンマー人」たちの本当の声
なんと日本には3万人ものミャンマー人が暮らしておられるそう。そうなった背景はよくわからないけれど、やはり東京を中心とした都会に多いらしい。リンク先の記事は、今回のクーデターを受けて日本に暮らすミャンマー人たちにインタビューしたもの。
祖国の異変に関して不安だし、怒りを感じている人がほとんど。特に20代や30代の人たちは憤っている。高齢者は軍事独裁政権だった時代を知っている。だけど若い人たちは、2011年の民主化が当たり前だとして生きてきた。だから今回のクーデターに対して、「民主化を取り戻す」という強い気持ちを抱いている。
この気持ちは、ボクたち日本人には想像するしかないもの。だけど想像力を働かせて考えてみるだけで、底知れない不安を覚える。
たとえばボクが海外で暮らしていたとして、自衛隊が国会を選挙して国会議員を追い出した、というシチュエーションを想像してみるといい。そしてそれに反対する人たちを次々と殺している。
日本に家族や友人が残っている人なら、いたたまれない気持ちになるだろう。日本に戻れなくても、できることをしようと思うはず。いま日本で暮らしているミャンマーの人たちはそんな気持ちなんだと思う。
情勢は内戦化の兆しを見せている。少数民族の武装勢力がデモ隊に加担したことで、軍による少数民族地域への空爆が実施された。これはほぼ内戦のようなもの。すでに隣国のタイへと避難している人たちもいる。停戦が模索されているけれど、いまのところは進展が見えない。
先日はタイで行われているミスコンテストに出場していたミャンマーの代表女性が、「どうか世界の皆さん、ミャンマーを助けてください」と涙ながらに訴えていた。心が痛くなるほど辛い映像だった。
アメリカはミャンマーとの貿易を停止して、外交官を引き上げている。だけど現状として、それが軍部の行動を抑止しているとは思えない。ミャンマー軍に背後から支援している国家がある限り。アメリカや国連が何を言おうと内政干渉という言葉ではねつけられるだけ。
もしミャンマー軍の行動を変えることができるとしたら、軍部に加担することはマイナス面しかないという世界的な同意を形成していくしかないように思う。ミャンマー軍の行動に対して賛否や国家利害が二分している限り、軍部が態度を変えることはないだろう。
ボクたちにできることがあるとすれば、ミャンマー軍を完全に孤立させる空気感を作っていくことかもしれない。世界中のメディアがミャンマーの現実を正確に報道することで、大勢の人がネットを通じてその想いを拡散してくしかないと思う。
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