女性版モーセの実話
2日前に我が家の家族となったMacBook Airが話せるとしたら、「人使いの荒い家へ来たなぁ」とボヤくかも。だって今日だけでも5時間以上はフルに使っているから。これが普通なので、覚悟してもらうしかないなぁwww
今日の午後は、新しいMacBook Airの性能チェックを兼ねて映画を観た。パソコンで映画を観ることが多いので、これまた慣れてもらうしかないからね。
まず映像がメチャメチャ綺麗。さすがRetinaのモニター。そして音が最高にいい。映画館で観ているような臨場感があった。さらに驚いたのがバッテリーの消耗が少ないこと。映画を見る前は82%だったバッテリー残量が、2時間10分の映画を観終わってもまだ69%だった。これならバッテリーの残量を気にせずに映画を観ることができる。
そんな新しいMacBook Airで観た記念すべき作品はこれ。
2021年 映画#61
『ハリエット』(原題:Harriet)という2019年のアメリカ映画。新型コロナの影響で、日本での公開は2020年の6月に延期されたそう。ハリエット・タブマンという実在の黒人女性を描いた伝記映画。
物語の舞台は1849年のメリーランド州。南北戦争が始まる少し前なので、この地域ではひどい奴隷制度が合法的となっていた。主人公のミンティはジョンという夫がいる黒人奴隷。子供を欲しかったけれど、その子供も奴隷になるので、心の底から自由を希求していた。
奴隷というのは南部の白人にとっては財産でもある。だから売り買いは普通だし、どれくらいの奴隷を抱えているかが裕福かどうかの目安になる。ミンティは家族と離されて売られることを知り、夫ともに逃亡することを決意する。ところが夫は捕まってしまい、ミンティは一人で逃亡する。
なんと160キロもの距離を逃げ続け、フィラデルフィアの奴隷解放組織に助けを求める。北部の地域は自由黒人という制度が認められていて、南部に比べて黒人の自由が保証されていた。ミンティは新しい名前を決める。それがハリエット・タブマンだった。
1年をどうにか過ごしたあと、ハリエットは残した夫を南部から脱出させたいと願う。それゆえ危険を承知で、再び南部へ向かった。彼女には『神の声』を聞くという特殊な才能があり、どれほどの危機が迫っても無事にやり過ごすことができた。
ようやく夫に出会えたものの、ハリエットが死んだと思っていた夫は再婚していた。そして自分が望んでいた子供までいる。失意のハリエットは、夫の代わりに自分の兄弟たちを北部へ脱出させようとする。その噂を聞きつけた黒人が集まり、なんと一行は9人の大所帯となった
ハリエットはその9人を無事に脱出させる。その功績を認められ、彼女は脱出のプロとして活動するようになった。記録によると、なんと70人以上の黒人を奴隷制度から解放している。それゆえ『女モーセ』とか『黒人モーセ』と呼ばれていた。
南北戦争が始まるとスパイとして活動したり、黒人兵士を率いて戦場へ向かっている。そして多くの黒人奴隷の解放に貢献した。やがてハリエットは再婚して、91歳まで生きたとのこと。彼女の兄弟や両親も南部地域から救われて、自由黒人として生活することができた。
ボクは知らなかったけれど、本当にすごい人。いわゆるレジェンドという存在で、黒人女性として彼女の肖像を20ドル紙幣に使うことが検討されている。トランプ政権ではボツになったけれど、バイデン政権になって検討が再開したらしい。こんな人なら、アメリカの女性を代表して紙幣に残る価値が十分にあると思う。
ただ残念だったのは、映画としてちょっと物足りなかった。脱走シーンがあまりに雑で、ハラハラドキドキが少ない。過去に一度も捕まらなかったという事実があったとしても、もう少し緊張感のあるシーンを増やして欲しかったと感じた。
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