コロナが憲法改正を後押し
昨日の5月3日は憲法記念日だったので、関連する報道がいくつもあった。ちょうど憲法に関する本を読んでいるところだったので、なおさらそれらの記事に関心を持った。
その多くが憲法改正の是非について。世論調査によると、これまで憲法改正に慎重だった人たちも賛成の意向を示している。その要因として、新型コロナが影響しているのは確実だと思う。
まずは共同通信の世論調査。ここでははっきりとコロナの影響を感じられる。憲法改正の目的の一つに、『緊急事態条項』というものがある。現状の憲法では、戦争等の緊急事態が起きたとき、内閣の判断で即時に対応することができない。その遅れによって、多くの国民の命が脅かされることになる。
そして昨年からの新型コロナウイルスの対応に関しても、『緊急事態条項』があれば外国のようにスピーディーでシビアな対応が可能となったはず。そう考える人が多いらしく、緊急事態条項を新設する憲法改正が必要だと考えるひとが57%になっている。これは以前では考えられなかったこと。
毎日新聞の世論調査では、さらにくわしい結果が出ている。
タイトルにあるように、毎日新聞の調査でも憲法改正に賛成する人が反対を上回っている。安倍首相が在任中の世論調査では賛成が36%だったので、明らかにコロナが影響しているように思える。さらに毎日新聞では興味深い調査項目がある。
憲法改正の重要な目的の一つとして、憲法9条に自衛隊の存在を明記するというものがある。日本を自衛するために日夜訓練を重ね、災害時には国民を助けてくれている自衛隊の隊員たち。そんな彼らの立ち位置は現状の憲法のままだと違憲扱いされかねない。
これでは日本を守ること、さらに国際貢献をなすことも難しい。この自衛隊の明記と緊急事態条項の2点が、憲法改正の重要項目だといえる。毎日新聞の調査によると、憲法9条を改正して自衛隊の名前を明記することに51%の人が賛成し、反対の30%を大きく上回った。
こうした結果を受けて、菅首相も昨日の憲法記念日に会見をしている。
首相は憲法改正を進めることで、緊急事態条項、さらに憲法9条に自衛隊の存在を明記することを実現したいと述べた。明確に意思表示をされたことは評価するべきだと思う。曖昧な態度だと、やがてうやむやになってしまうだけだから。
ただしハードルは高い。衆参両議院の3分の2以上の賛成が必要だし、その後に国民投票で有効投票の過半数を獲得できないと憲法を改正できない。なぜ憲法を改正するべきかについては、いずれいま読んでいる本の感想でまとめてみようと思っている。
とにかく緊急事態条項、そして9条に自衛隊の存在を明記することに関して、ボクは絶対にやるべきだと思っている。いまの世界の現状、さらに東アジアの緊張度を考えたら、このまま何もしないことは日本を自滅させてしまうことになる。
コロナが後押ししてくれているこの機会に、憲法改正が前向きに進むことを願っている。
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