音楽はやっぱりメロディだよね
最近はヒップホップも聴くようになったボクだけれど、やっぱり美しいメロディに惹かれる。レッド・ツェッペリンのようなロックバンドも、その背景に美しいメロディが配置されているから人の心を動かすことができる。
昨日の夜、今年になって初めて新曲をリリースしたジョナス・ブラザーズの『Leave Before You Love Me』を聴いてそう思った。マシュメロとのコラボ曲になっていて、兄弟たちの美しい声とメロディを久しぶりに耳にして心が癒された。
美しいメロディというのは、一瞬にして人の心を虜にしてしまう。ましてやそのメロディを奏でる声が極上だったら誰も抵抗できない。そんな一瞬のチャンスに賭けた男性の実話を映画化した作品を観た。
2021年 映画#77
『ワン チャンス』(原題:One Chance)という2013年のイギリス映画、
ボクがオペラを聴くことはまずないけれど、ポール・ポッツというイギリスのオペラ歌手は知っている。『ブリテンズ・ゴッド・タレント』という素人オーディション番組で、オペラを披露して優勝した人物。携帯ショップの店員だったけれど、プロの歌手としてデビューすることになった。
その当時ネットで話題になっていて、ボクも彼が勝ち残っていく映像を何度か見た。あまりに美しい声に審査員たちが呆然としている姿が印象深かった。そのポールの半生を描いた作品がこの映画。
つまり結末は見る前からわかっている。それなのに感動する。ラストのオーディションのシーンなんて、必死になって応援してしまった。なぜならそこへ至る彼の人生、そして彼を支える妻の生き様に強く共感していたから。
ポールは太っていたことで、子供のころからいじめられていた。だけど歌を歌うことだけが救いで、成人するまでずっと歌い続けていた。そして地元の素人大会で優勝した資金で、イタリアにオペラ留学をした経験も持っている。
だけど彼には決定的に欠けているものがあった。それは『自信』という強い想い。いじめられたことがトラウマとなっていて、自分に自信を持つことができなかった。イタリアではもう少しでデビューできる実力だったのに、敬愛するパヴァロッティの前で歌うときに緊張で大失敗をやらかす。そのうえ、「図太さがないきみには、絶対にオペラ歌手になるのは無理だ」とまで言われてしまう。
失意のままイギリスに戻ったポール。そんな彼を支えたのはネット知り合ったジュルズという女性。やがて妻となる人物だけれど、この女性が本当に素敵。どんなときも夫を信じて励ましてきた。経済的に破産寸前なのに、彼に歌うことを勧めた。
その結果が先ほどのオーディションとなる。本当に素敵な映画だったなぁ。ポールを演じたジェームズ・コーエンはボクの好きな俳優さん。彼の演技に最後まで引き込まれた。歌のシーンに関しては本物のポールの声らしいけれどね。
そして妻のジュルズを演じたアレクサンドラ・ローチという女優さんが最高。さすがイギリスの俳優さんだわ。そのうえポールの母親が、ジュリー・ウォルターズという名優。ハリポッターシリーズのロンのママ、と言えばわかる人が多いだろう。
何度も観たくなる、最高にハートウォーミングな作品だった。
ブログの更新はFacebookページとTwitterで告知しています。フォローしていただけるとうれしいです。
『高羽そら作品リスト』を作りました。出版済みの作品を一覧していただけます。こちらからどうぞ。