八方美人の企業は淘汰されるかも
物品販売であれ、サービスの提供であれ、すべての人に受け入れてもらうのは無理。どんなところにはアンチは存在する。だから企業としては自社の理念を明確にして、ブレない経営をしていくのがベストだと思う。いま衣料業界において企業の信念が問われている。
中国のウイグル問題によって、衣料業界に激震が走っている。中国政府が綿花の栽培に関してウイグル人に強制労働を課している、という見解をアメリカ政府は表明した。それゆえ人権問題を見過ごすような商品に対しては、輸入禁止措置を表明している。
それを受けたナイキ、H&M、ZARAなどの大手アパレルブランドが、ウイグル自治区から綿花を調達しないことを表明した。リンク先の記事は、そうした行動に対する中国の報復措置。その理由が、いかにも中国らしい。
子供の健康を損ねる有害物質が含まれているという理由。アホらしくて反論する気にもなれない。まるで子供の喧嘩。おそらく自国の国民に対してウイグル問題を意識させないためだろう。もし虐待が事実ではないのなら、堂々とそのことを表明したうえで輸入停止にするべき。やり方が姑息すぎる。
まぁ、これが中国政府のパターンだから仕方ない。こうなることをわかっていて、ウイグル地区の綿花を調達しないと表明したこれらの企業に拍手を送りたい。強制労働の事実はわからないけれど、これまでの情報によってウイグル人に対するジェノサイドが起きているのは事実。
有名企業の勇気ある行動によって、おぞましい事実に目を向けてもらえると思う。もちろんアメリカ政府の意向によって、仕方なくという部分もあるんだろうけれどね。
ところが同じアパレルメーカーでも、日本の企業は完全にしくじった。いわゆる八方美人的な態度を取ったことで、窮地に追い込まれている。
その企業はユニクロ。柳井社長は4月の決算報告でウイグル製の綿花について使用状況の名言を避けた。つまり使っていることを認めたようなもの。そのことによって先月の19日には、ユニクロの商品がロサンゼルス港で足止めされていた。
柳井さんの真意はわからないけれど、中国での商売を考えた場合、中国政府に忖度せざるを得なかったのかもしれないね。だけど結果として、アメリカ政府からはその行為に対するペナルティを求められている。
さらにフランスのNGOからは、強制労働の恩恵を受けているとして告発された。曖昧な態度は日本人の気質かもしれない。だけど欧米の人たちは、そのような態度を好ましく思っていない。
現代社会のグローバル化を考えたなら、企業理念を明確にした経営が求められる時代なのかもしれない。八方美人の企業は、やがて世界の市場から淘汰されてしまうかもしれないね。
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