暗号通貨は法定通貨になれる?
相変わらず乱高下をくり返している暗号通貨。今朝の段階では全体に下げ基調となっている。
ボクが暗号通貨に投資したのは、本気で勉強するため。少額とはいえ投資することで自分の体験として実感できるから。早めに動いたおかげで現在の値段でも余裕で利益が出ている。いまの段階で新たに投資するならば、かなりのリスクを覚悟する必要があるだろう。
ボクが暗号通貨に関心を持った理由は、国家、あるいは銀行という既得権益から自由な通貨となりうる可能性を持っているから。国は通貨を管理することで国家として成り立っている。いわば国家としての存在要件に通貨管理は欠かせない。それに乗っかっているのが銀行等の金融機関。
暗号通貨はこうした既存の利権構造をぶっ壊してくれる可能性がある。わかりやす例でいえば、いまだに海外への送金は銀行による多額の手数料という搾取が行われている。これでは社会のグローバル化にブレーキがかかってしまう。
当然ながら既得権益者の代表である国家は暗号通貨に圧力をかけている。存在そのものが否定できなくなったから、どうにか現状の法律で対応しようとしている。それは暗号通貨が法定通貨に取って代わられることを恐れているからだろう。
ところがついにその抵抗を放棄した国が出てきた。
ビットコイン「爆下げ」のウラで、いまエルサルバドルで起きている「ヤバい現実」
あちこちで報道されていたので知っている人は多いだろう。今月の8日、エルサルバドルがビットコインを法定通貨にする法案を賛成多数で可決した。まさかここまでやる国が出てくるとは。
内戦が続いていたエルサルバドルでは、法定通貨だったコロンが2001年には米ドル主体の経済になっていたそう。すでに法定通貨が機能していない状況だった。そのうえ国民の多くが銀行口座を持たないので、銀行を中心としたお金の流れを作ることができないらしい。
エルサルバドルのブゲレ大統領はこう述べている。
「現段階で、エルサルバドルは初のビットコイン国家になろうとしており、法案が実現すれば、ビットコインを法定通貨、そして、世界の通貨として認め、保有する初の国家になる」
「政府からの介入を気にせず、政府もイノベーションを望んでいる」
「国家がオープンな金融システムに接続して国民に希望を与える」
つまり国家が法定通貨を管理しないことを明言している。これはかなり衝撃的な発言だと思う。なぜなら同じような環境の国が多い。そして通貨によってその国をコントロールしている大国も存在する。そんな束縛から逃れるために、法定通貨を暗号通貨に定める国が出てきても不思議じゃない。
さてどうなるんだろう? 今後のエルサルバドルの動向に注目したいと思う。IMFはかなりあわてているようで、法案成立に対して懸念を表面している。リンク先の記事に書かれているように、IMFがエルサルバドルに多額の融資をすることで、この法案の撤回を迫るかもしれない。
日本も暗号通貨に関して、柔軟な対応策を検討しておくべき。いまのところは大国によって暗号通貨は単なる投資資産であり、通貨としては正式に容認されていない。だけど実質的に通貨として定める国が増えてきたら、法律の見直しを迫られることになる。
一歩間違えば、世界的な金融混乱を招く可能性もある。だけどこれは暗号通貨が本来持っているポテンシャルだということ。ちょっと面白いことになってきたなぁ。
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