鉄塔にかけた繋がりたい想い
来た、来た、待ちに待ったアルバムがリリースされた。ボクの一押し女性ラッパーであるドージャ・キャットが、昨日の25日に3枚目のアルバムを発表した。
『Planet Her』というタイトルで、タイトルとおりに宇宙へ飛んでいきそうなぶっ飛んだジャケット。まだ2回しか聴いていないけれど、彼女らしいメロディアスなヒップホップに仕上がっていると思う。アリアナ・グランデのニューアルバムでコラボしていたせいか、このアルバムにはアリアナ・グランデとのコラボ曲も収録されている。
すでに2曲がシングルカットされていて、今回のアルバムの発表と同時に3曲目のシングルがリリースされた。『You Right』というタイトルで、なんとザ・ウイークエンドとコラボしている。女神のドージャ・キャットが地球に降臨したという物語にしてあって、ザ・ウイークエンドも雨の神のような設定になっている。当面はこれらの曲たちがビルボードのランキングを賑わすだろう。
そして同じ昨日、エド・シーランが久しぶりに新曲のミュージックビデオを公開した。『Bad Habits』というタイトルで、エド・シーランが吸血鬼に扮している。『スリラー』のマイケル・ジャクソンのように、吸血鬼を引き連れて夜の街を歩く。ところがラストで真相がわかる、という物語のような構成。近いうちにニューアルバムをリリースする予定なので、この曲も収録されるのだろう。なかなか面白いビデオなのでリンクしておこう。
ガラッと雰囲気は変わるけれど、中学生時代の恋心を思い出すような胸キュンの小説を読んだ。ファンタジー仕立てで、これがなかなか素敵な物語だった。
2021年 読書#61
『君と夏が、鉄塔の上』賽助 著という小説。最初は単なる学園モノかと思ったけれど、途中から一気にファンタジー感が増してきた。中盤からラストにかけては、ページをめくる手が(といっても電子書籍だけれど)止まらなかった。
主人公は伊達という中学校3年生の男子。鉄塔オタクで、かなり詳しい。彼に関わってくるのが、同級生の帆月という女子生徒で、自作の空飛ぶ自転車を作って校舎の屋上から飛び降りるような破天荒な女の子。さらに幽霊が見えることで登校拒否するようになった比奈山という男子生徒。
ネタバレしたら面白くないので、結末は黙っていよう。ある偶然が重なって、中学生最後の夏休みに3人は鉄塔の前の公園に集合するようになった。なぜなら鉄塔の上にいつも古い着物を着た少年がいたから。
最初見えるのは帆月だけだったけれど、彼女の手に触れると伊達も比奈山もその少年が見えた。その少年は何もいわず、ずっと鉄塔の上で何かを待つように座っている。ということで3人がこの少年の正体を明らかにしていくという物語。
その過程で次々と不思議な出来事が起きる。その少年は幽霊、それとも神様? もしかして帆月の幻覚?
最終的にテーマとなってくるのは、自分の存在を忘れられたくないという想い。帆月は親の離婚で、夏休みが終わると転校することが決まっていた。自分のことを二人に忘れて欲しくない彼女は、鉄塔の上の少年を通じてあることを決行する。
子供時代の友人って、成人するといつかはその存在を忘れてしまう。それが初恋の人であってもね。そんな別れの切なさが、中学校最後の夏休みに新しいものへと昇華していくという内容。ラストのシーンでは、感動で涙ぐんでしまった。おそらくどんな人にも感じるものがあるはず。今年の夏には、中学校時代を思い出して読んでみるのもいいかもよ。
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