真の時間概念を表現した映画
今月中に新作小説を仕上げる予定だったけれど、大幅に遅れている。4月にスマートフォンとパソコンを入れ替えたり、5月から6月にかけてこれまで蓄積された身体の不調が爆発したことでなかなか進まなかった。そのうえ今月の中盤から後半にかけてギックリ腰の再発という、弱目に祟り目状態。
とまぁこのあたりはいいわけであって、最大の理由はテーマが大きすぎて手こずっているのが遅れている理由www
大幅に予定をずらして、8月末の完成を目指すことにした。人間の自由意志の有無に始まり、パラレルワールドと時間の概念を取り入れたことでかなり苦労している。特に時間の概念というのがやっかいで、これは文章にすると支離滅裂になりかねない。
ボクが抱いている時間の概念とは、時間は時系列に流れるものではないということ。つまり未来、現在、過去は同時に存在していると考えている。そんなことを小説に盛り込んだものだから、あたふたしながら筆を進めている。はたして完成するんだろうか?
でも不思議なもので、こうして苦しんでいると助け舟がやってくる。たまたま観た映画が、まさにボクの言わんとする時間の概念をテーマにした作品だった。
2021年 映画#95
『メッセージ』(原題:Arrival)2016年のアメリカ映画。写真を見てわかるとおり、宇宙人との遭遇を扱ったSF映画。『未知との遭遇』とはちがい、宇宙人との交流よりも主人公の人生に主眼が置かれている。
最初に書いたように、これはまさに真の時間概念を映像化した作品。過去、現在、未来は同時に存在していて、原因と結果は時系列に流れない。未来の原因によって現在の出来事が進む。この感覚がイメージできない人は、この映画がつまらないと感じてしまうだろう。そいう意味では賛否のある作品だと思う。
5年前の映画なのでネタバレしようかと思った。だけどこの作品に関しては、絶対にオチを知らないほうがいい。だから熟慮した末、ネタバレはしないことにした。概略だけ紹介しておこう。
突然地球全土に宇宙船がやってくる。それは全部で12箇所。これだけでも『時間』を象徴しているのがわかると思う。ボクの勝手な解釈だけれどwww
エイミー・アダムス演じるルイーズは優秀な言語学者。宇宙人は特殊な言語でコミュニケーションを試みている。その解読を依頼され、これまた選ばれた優秀な物理学者とともにアメリカに着陸した宇宙船へと向かう。この物理学者のイアンを、ジェレミー・レナーが演じている。
さまざまな試行錯誤のうえ、ルイーズは宇宙人の言語を解読する。メッセージの内容は『武器を与える』というものだった。それを誤解した他の11の国家は、この宇宙人に宣戦布告しようとする。
そこでルイーズは真のメッセージの意味を知り、他国の攻撃を止めようとする物語。これだけだと、普通のSF映画っぽいよね。ところがこの作品はちがう。ルイーズの人生の断片が、ちらほらと映画のなかで散りばめられている。離婚、愛する娘の病死等。
それらの事実が、真の時間概念を伴って明らかにされる。そして限りなく切なくて、ボクは涙を止められなかった。ルイーズは何を知ったのか? そのことが気になる人は、きっとこの映画が好きになると思う。
ちなみに短編だけど、この作品には原作小説があるとのこと。それですぐに図書館に予約した。この時間概念がどのような文章になっているのか、パクらせて、いや、勉強させてもらうとしようwww
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