高羽そらさんインタビュー

未来の不幸を知って進める?

未来に起きることは絶対に変えられないとしよう。その状況でこれから起きる不幸を知ってしまった場合、ボクたちは前に進むことができるだろうか?

 

そのことを読者に問いかける小説を読んだ。

 

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2021年 読書#67

『あなたの人生の物語』テッド・チャン著という小説。先月にエイミー・アダムスが主演する『メッセージ』というエイリアンが登場する映画を観た。

 

その作品が気に入ったので原作を読むことにした。ちなみに映画の感想は『真の時間概念を表現した映画』という記事に書いているの参照を。

 

映画の原作といっても、この小説は短編集になっている。『メッセージ』の原作はその作品のひとつ。以下のような作品が収録されている。

 

『バビロンの塔』

 

『理解』

 

『ゼロで割る』

 

『あなたの人生の物語』

 

『七十二文字』

 

『人類科学の進化』

 

『地獄とは神の不在なり』

 

『顔の美醜についてーードキュメンタリー』

 

という8作。『メッセージ』の原作にあたるのは、『あなたの人生の物語』という短編になる。著者は大学でコンピュータサイエンスを専攻した人なので、基本的に理科系の知識を題材にした作品がほとんど。少し専門的すぎるところもあるけれど、小説としては問題なく読むことができる。

 

とにかく発想がユニークで、科学好きのボクとしてはがっちりとハマる作品ばかりだった。『バビロンの塔』なんて、神の国に到達したと思ったら、そこは振り出しの人間界だったという内容。神学的要素と科学が融合されていて、思わずうなってしまう作品だった。もちろんいい意味で。

 

どの作品も面白いから紹介したいけれど、このブログではスペースが限られているので難しい。『顔の美醜について』は様々な人が意見を語るドキュメント式になっている。人間の顔の美醜を感じない装置が発明された。その装置を身につけると、美人と不美人の区別ができなくなる。美しさの概念と、その装置の是非について議論が交わされるという内容。

 

とりあえず映画の『メッセージ』の原作である『あなたの人生の物語』について触れておこう。原作はかなりシンプルなので、映画はかなり盛ってある。だから宇宙人がやってくる、そしてその言葉を解読するという過程は同じだけれど、基本的にちがう物語だと考えたほうがいい。だけど中心となるエッセンスは同じ。

 

映画では主人公の独身女性科学者が宇宙人の能力を使うことで、未来に生まれる自分の娘が病気で死ぬことを知ってしまうという設定になっている。そのついでに世界の危機を救っている。

 

原作の主人公は宇宙人の能力は使わないし、世界も救わない。ただ宇宙人の言語を研究する過程でその思考法が身につき、まだ見ぬ未来の娘の出来事を知ってしまうという設定。このあたりの思考過程はとても面白いので、ぜひ原作を読んでほしいと思う。

 

とにかく映画でも小説でも、主人公は自分より先に死んでしまう娘の運命を知ってしまう。ついでにいえば夫との離婚という事実も無視できなくなる。ただ映画でも小説でも、主人公はその未来を避けようとしていない。辛いことは分かっていても、来るべき未来を受け入れてそのとおりに行動している。

 

それはある意味、人間は自由意志がないことを説明しているように思える。未来の不幸を知っていても、それを避ける自由意志を使うことはできないというもの。主人公の行動をそう解釈することも可能だろう。

 

もう一つの見方としては、主人公にとって来るべき不幸以上の『幸福』がその未来に存在しているということ。死に別れることがわかっていても、そこに至る娘との愛の日々がかけがえのないものだと感じたのかもしれない。だから娘と現実世界で『再会』できることを選択したのだろう。ここにあるのは、原因と結果という時間の逆転現象だよね。

 

実は今日観た映画も、そんな時間の逆転現象を扱ったものだった。未来の原因によって今の行動が決められる。この映画については、明日紹介することにしよう。

 

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高羽そら|たかはそら(作家、小説家)プロフィール

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高羽そら(たかはそら)
今後の目標:毎年1つの物語を完成させたいと思います。
生年月日:昭和37年5月10日
血液型:A型
出身地:京都市

【経歴】
1962年京都市生まれ。数年前に生活の拠点を神戸に移してから、体外離脱を経験するようになる。『夢で会える 体外離脱入門』(ハート出版)を2012年1月に出版。『ゼロの物語Ⅰ〜出会い〜』、『ゼロの物語Ⅱ〜7本の剣の守り手〜』、『ゼロの物語Ⅲ〜次元上昇〜』の3部作を、2013年7月〜12月にかけて、オフィスニグンニイバよりAmazonのKindleにて出版。現在も新たな物語を執筆中。

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