この夫婦は何度見ても最高
映画の続編はコケる場合が多い。だけど全部が全部そうではないし、気に入った作品ならやはり続編が気になる。
大好きな映画だから続編が気になりつつ、あえて観ていない作品があった。なぜなら主人公の壮絶な死がテーマの作品だったから。その主人公が好き過ぎて、彼の死後である続編に気持ちが向かなかった。
だけど少し気になって調べてみると、1作目に重要な役割を果たした主人公の妻、そして主人公が最後の伝令を頼んだ人物も出演している。それを知るとやはり続編が気になってきた。そこで続編を観る前に、久しぶりに最初の作品を鑑賞した。
2021年 映画#111
『300 〈スリーハンドレッド〉』という2006年のアメリカ映画。紀元前480年、ペルシア帝国が海を超えてスパルタを攻めてきた。ギリシャを守るため、立ち上がったスパルタ王であるレオニダスを描いた物語。事実とちがう部分は多々あるけれど、史実に基づいて映画化されている。
ストーリーはシンプル。ペルシア帝国の侵略を受けたスパルタ王のレオニダスは戦うことを主張する。だけど政治家にはペルシア帝国に買収されている人物がいて、その人物の工作によって神託が捏造された。だからレオニダスは戦争をすることができない。
そこで300人の信頼できる兵士を連れ、「散歩」と称してスパルタを出た。そして100万人のペルシア兵と戦うという物語。なぜ300人しかいない兵士が100万人と互角に、いやむしろ押し気味に戦ったのかを知りたい人は映画をどうぞ。ある裏切りがなければ、ペルシア帝国を追いやることができたかもしれない。
ボクはこの映画を映画館でも観たし、その後のDVDでも観ている。エグい、暴力的という評価があるけれど、この時代の戦争なんてそんなもの。日本の戦国時代だって、相手の武将の首を取ったんだからね。
この映画が好きな理由は、まずは映像が美しいこと。エグいはずのシーンなのに、そこにある種の『美』を感じてしまう。全体的にセピアトーンで、スローモーションがとても効果的に使われている。兵士たちの鍛えられた筋肉も美しさの要因のひとつだろう。
さらにこの映画を好きな理由としては、主人公のレオニダスと妻のゴルゴがとにかく素敵だから。こんな最高の夫婦はない。レオニダスがどれだけ妻と息子を愛しているか伝わってくるし、死の直前でも妻の面影を追いかけていた。愛するものを守るために命を投げ出す姿に惚れ込んでしまう。
レオニダスを演じたジェラルド・バトラーは、ボクの知っている限りで最高のジェラルドだと思う。他の作品でもかっこいい俳優さんだと感じるけれど、この作品のかっこよさを超えるものはない。
そしてゴルゴを演じたレナ・ヘディが本当に素晴らしい女優さん。美しさだけでなく、王妃としての強さも見事に表現している。夫に援軍を送るため議会を説得しようとした。そのためには裏切り者に自分の身を任すことまでやってのける。結果としてその裏切り者を、彼女の手で殺してしまうけれどね。
最終的にスパルタに戦うことを決意させたのは、王である夫の代わりに国民のために全身全霊を注いだ彼女だった。久しぶりにこの夫婦の活躍を観て、ようやく続編を観る気持ちになった。この興奮を忘れず、近いうちに続編を楽しむとしよう。
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