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高羽そらさんインタビュー

勝利したのは娘を想う父の心

どんな悪人であっても、誰かの子供であったり、誰かの親だったりする。そこにはかけがえのない存在に対する愛が存在しているはず。

 

たとえば、犯罪者だけど自分の子供に対して無償の愛を持つ人を想像してほしい。

 

そして、警察に捕まるようなことはしていないけれど、自分の子供に愛情を感じず精神的な虐待をしている人を想像してほしい。

 

あなたはどちらに好感を持つ? これは極端な例だと思うけれど、ボクとしては前者のほうが人間らしさを感じる。そう想うのは、この映画を観たせいかもしれない。

 

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2021年 映画#118

『タイム・トゥ・ラン』(原題:Heist / Bus 657)という2015年のアメリカ映画。ジェフリー・ディーン・モーガンとロバート・デ・ニーロの共演を見たくて選んだ映画。予想どおり、この二人のやり取りが素晴らしい作品だった。

 

ジェフリー・ディーン・モーガン演じるヴォーンは、カジノで働く元軍人の凄腕ディーラー。そのカジノを経営しているのがロバート・デ・ニーロ演じるホープという男。巨額の利益を上げているカジノだけれど、ホープはこのカジノを闇資金の洗浄に使っていた。

 

才能を見込まれたヴォーンは、ホープの片腕になることを過去に勧められている。だけど悪事に加担することを嫌って普通のディーラーとして低賃金で暮らしていた。ところが彼の幼い娘が小児がんにかかり、手術をすれば助かるけれどその費用がない。

 

そこでヴォーンはホープに助けを求めたけれど、あっさりと断られた。今回のロバート・デ・ニーロ演じるホープは、彼の真骨頂である悪役のボス。やはり悪役が似合うよね。それもかなり凶暴な人間だということを、映画の冒頭で見せている。たとえ1ドルでもホープの金を盗んだ人間は、簡単に殺されてしまう。

 

結局ヴォーンは解雇されてしまう。そのとき、彼に強盗を持ちかける連中がいた。ホープがカジノで集めた資金洗浄前の金を盗めば、ホープも警察に届けられない。娘の手術費用がほしいヴォーンは、最終的にその計画に乗ることになった。

 

ところがどうにか金を手にしたものの、カジノからの脱走に失敗してヴォーンたちは路線バスをジャックすることになる。バスには子供や妊婦もいる。そんな人質を抱えたままヴォーンたちは逃走する。彼らを追っているのは警察だけでなく、もちろんホープの殺し屋たち。

 

ここまではよくあるパターンだけれど、この映画はここから面白い。巧妙なトリックが仕組まれていて、普通に終わらない。ヴォーンはかなり頭のいい男で、こうなることを予測していた。そのための準備をしている。例えばバスの中の妊婦は彼の妹。大きなお腹は子供ではなく盗んだホープの金だった。これは最後まで明かされない。

 

その妹が病院に駆けつけたことで、娘の手術は無事に行われた。だがヴォーンはホープに捕まってしまう。これで殺されてしまうというとき、ヴォーンに銃を向けていた部下を殺したのはホープだった。それまで悪役だったホープが、急に態度を変える。

 

その理由は命をかけて娘を助けようとしたヴォーンの愛ゆえ。ホープも娘とのあいだに問題を抱えていた。自分は末期癌なのに父親を嫌う娘は遺産を受け取ろうとしない。そんな汚い金で作った財産はすべて燃やしてほしいといわれていた。

 

ホープはふいにそうする気持ちになったんだろう。それでヴォーンを助け、カジノを潰してしまうことを決意する。このときのホープがめちゃカッコよかった。さらにヴォーンは警察にも罪を問われない。なぜなら最後まで他の犯人から人質を守ったのは彼だったから。だから人質は全員口をそろえて、強盗犯はバスの中で死んだ二人だけだと証言した、というエンディング。

 

後半の展開が予想外で、最後まで楽しめた作品だった。それにしてもロバー・デ・ニーロの悪役は最高だよなぁ、

 

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高羽そら|たかはそら(作家、小説家)プロフィール

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高羽そら(たかはそら)
今後の目標:毎年1つの物語を完成させたいと思います。
生年月日:昭和37年5月10日
血液型:A型
出身地:京都市

【経歴】
1962年京都市生まれ。数年前に生活の拠点を神戸に移してから、体外離脱を経験するようになる。『夢で会える 体外離脱入門』(ハート出版)を2012年1月に出版。『ゼロの物語Ⅰ〜出会い〜』、『ゼロの物語Ⅱ〜7本の剣の守り手〜』、『ゼロの物語Ⅲ〜次元上昇〜』の3部作を、2013年7月〜12月にかけて、オフィスニグンニイバよりAmazonのKindleにて出版。現在も新たな物語を執筆中。

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