宇宙人に真意を伝える方法
ここ数日は、頭のなかがあるSF小説で興奮状態になっている。想定外の出来事が次々と起こる物語で、どのような結末を迎えるのかまったく予測できない。ボクの想像力をはるかに超越している作品なので、ひたすらページを読み進めるしかなさそうwww
2021年 読書#90
『三体III 死神永生』上巻 劉慈欣 著という小説。世界的なベストセラーになっている『三体』シリーズの第3部となる完結編。今年になってようやく邦訳が出版されたので図書館で予約していた。
第2部を読了してから時間が経っていたので、この物語の世界観と登場人物を思い出すのに時間がかかった。とにかくスケールの大きなSF小説。第1部は中国の文化大革命時代から始まり、300年ほど先まで物語が続く。そのうえ人間を冷凍冬眠できるという設定なので、100年以上前の人物が未来に関わってきたりする。
この物語の内容をこのブログで説明するのは無理。簡単にいえば宇宙人が侵略してくるという物語。その宇宙人が三体と呼ばれている。3つの恒星を持つ惑星に暮らしていることで、予測できない自然現象に苦しめられている。地球よりはるかに高度な文明を持つ三体人は移住先を探していた。
第1部において葉文潔という女性科学者によって三体文明に通信が届けられた。つまり彼らは太陽系の存在を知ることになった。それで侵略を開始する。だけど移動に400年もかかる。そのあいだに地球人の科学が進化しないよう。三体人はある特殊な方法で人類の基礎科学の進歩を停止させた。
第2部においては、ひたすら近づいてくる三体文明にどう対処するかが物語のテーマ。最終的にその方法を見出したのは羅輯という人物。彼は葉文潔からある宇宙公理を教えられる。
1. 文明は生き残ることを最優先とする。
2. 文明は成長し拡大するが、宇宙の総質量は一定である。
これに基づいて羅輯が考えたのは、三体文明の座標を宇宙に発信するというもの。宇宙に存在する文明は、侵略に対して異常なほどの警戒をしている。それゆえ文明の存在を確認した段階で、破壊しようとするのが宇宙の摂理だった。
それゆえ羅輯は三体文明の座標を宇宙に発信するシステムを構築することで、三体人の侵略を食い止める。それは同時に太陽系の座標も宇宙に発信することになる。共倒れになるのを防ぐために、三体人は地球人と協調することを選択する。つまり抑止力が機能した状態。これが第2部の終わりだった。
第3部は第2部までの別の出来事を描きつつ、抑止時代の現状からスタートする。羅輯は年老いたことで、抑止力を保っているスイッチの継承者を求めていた。それが今回の主人公である程心という若い女性。
だけど羅輯から引き継いだ程心は、抑止力の維持に失敗する。それによって三体人は再び侵攻を始めた。一時期は地球人類が奴隷化されそうになるけれど、ある事件が起きたことで三体文明の座標が発信されてしまった。なんとその結果、三体人の惑星は未知の宇宙人によって破壊されてしまう。
当然ながら太陽系の座標も同時に発信された。まったく未知の宇宙人が、いつその座標を手にして攻撃してくるかわからない。それも攻撃が起きれば、わずか数秒で太陽が崩壊してしまう。つまり人類に残された方法は、太陽系が他の星を侵略しないという意思を宇宙に表明すること。
程心は必死になって地球を救う方法を模索する。そして貴重なヒントが与えられた。というところまでが上巻の物語。かなり簡潔に書いているけれど、この物語を知らない人にはチンプンカンプンだろうね。
とにかく今夜から下巻を読む。さぁ、太陽系の運命はいかに? おそらく想定外の結末が待っているんだろうなぁ。
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