天才の心を開いたリスト
ボクは歩くのが比較的早い。関西弁でいうところの『イラチ』なんだろう。だから狭い通路で2〜3人が広がってダラダラ歩いていると、実力行使はしないものの心の中でイライラしてしまう。
とにかく他人の歩く速度の遅いことが気になって仕方ない。もしかしてボクと他人の時間の進み方がちがうのかも、とマジで思ってしまうほど。ボクの歩き方は、一車線の道路で車間距離を詰めてぶっ飛ばしている自動車のような雰囲気。だから前の人が考え事をしたり迷ったりして急に止まると、追突しそうになることがよくあるwww
もしかしたら普通の人よりIQが高い天才たちは、他人に対して同じようなことを感じているのでは? 自分の思考のスピードと他人の反応が合わなくて、イラついているのかもしれない。そんなことを感じる映画を観た。
2021年 映画#144
『マイ・プレシャス・リスト』(原題:Carrie Pilby)という2016年のアメリカ映画。コミュ障の女性が、ある出来事を通じて他人との関係を築いていく物語。
コミュ障といっても、この映画はちょっと普通とちがう。主人公のキャリーはIQ185の天才。18歳でハーバード大学を卒業したあと、ニューヨークで一人暮らしをしている。その理由は他人との関係をうまく築けないから。いわゆる引きこもり。
だけど彼女の場合、コミュ障の引きこもりとは少しちがう。頭の回転が早すぎて、他人の思考に合わせることができない。会話をしていても、気がついたら相手がついていけない内容を機関銃のように話している。このあたりの様子は、キャリーを演じたペル・パウリーという女優さんが見事に演じていた。
さすがイギリスの俳優さん。キャリーはイギリスの出身で、母は彼女が幼いころに病死していて、父と二人暮らしだった。だけどイギリスが嫌で、アメリカから離れない。そんなキャリーを心配して、父は彼の親友であるセラピストのペトロフ医師に娘の診察を依頼した。
そこでペトロフはキャリーに「幸せになるためのリスト」を渡す。とにかくこれを実行してみるよう持ちかける。「ペットを飼う」、「友人を作る」、「デートをする」というような内容。
ここからがコメディ映画の本領発揮で、リストを達成しようとするキャリーの奮闘に大笑いしながら応援することになる。ハッピーエンドなのはわかっているけれど、人間関係がうまく築けないキャリーにハラハラさせられる。
でもそのリストのおかげで、キャリーはようやく他人に対して心を開けるようになった。そして彼女を理解してくれる素敵な恋人も現れる。ちょっと不思議なキャラの女性だけれど、最後まで楽しめてハッピーな気分になれる素敵な映画だった。
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