自己肯定感に関する誤解
ボクがスピリチュアル系のセミナーによく通っていた30年ほど前、主流となっていたのはポジティブ思考というもの。チャネリングという言葉を浸透させたバシャールと名乗る宇宙人が、ワクワクすることをやるべき、という信念を拡散した。
それが誤解、あるいは曲解されていくことで、ポジティブであることが正義というような風潮になった。ボクはこの段階で違和感を覚え、ポジティブ思考から離れるようになった。前向きに生きることは大切だけれど、ネガティブを否定するポジティブ思考は人生の足枷にしかならない。
そしてここ数年によく目にする言葉が『自己肯定感』というもの。この感覚は大切だと思うし、自己肯定感を持つことは意識するべきだと思う。ただしこの言葉についても誤解が見えるように感じている。
自己肯定感を高める、という言葉が一人歩きしている気がしてならない。それゆえ自己肯定感が低いことをダメだと感じさせる。これではポジティブ思考と同じことになる。そんなモヤモヤしたものを、スッキリさせてもらえる記事を見つけた。
「自己肯定感」をムリヤリ高めても「悩み」は消えない！心理カウンセラーが説く“大きな誤解”
とてもわかりやすく書かれた記事だった。自己肯定感という言葉を誤解している人は多いと思う。自己肯定感が低いのはダメと思っている人は、もしかしたら言葉の意味を誤解しているかも。そんな人はリンク先の記事を読んだほうがいいと思う。
自己肯定感に関する文章を記事から抜粋してみる。
『そもそも自己肯定感とは、ありのままの自分でいいという「感覚」のこと。よく言われるような、自信のある・なしとは全く関係がありません』
『自己肯定感は、生まれた時には誰もが持っている感覚です。赤ちゃんを想像してみてください。卑屈になっている赤ちゃんだとか、自分の長所を探す赤ちゃんがいたらヘンですよね（笑）。楽しいことがあれば思い切り笑い、嫌なことがあれば大声で泣く。まさしく「ありのまま」です』
『自己肯定感が高い状態には、自分を他人と比べたり、パフォーマンスが悪いときの自分はダメで良い時の自分はマル、ということもありません。
さらに言ってしまえば、良いも悪いもなく、「どちらでもいい」のです。ありのまま、とはポジティブな自分にもネガティブな自分にもOKが出ていること、良い・悪いが気にならない状態のことです』
これらの文章を読むだけで、自己肯定感に関する誤解が解けるはず。自信があったりやる気に満ちている状態は、自己肯定感の高さとは無縁だということ。ダメな自分であっても、否定せずに真正面から向き合う。それこそが自己肯定感が高まっている状態。
ネガティブを否定すること、ダメな自分を認めないことは、それらの感情を心の奥底に抑圧してしまう。我慢すること、自分を偽ることが正しいと思うようになり、いつかは疲れ果ててボロボロになってしまう。そうなってしまうと苦しみの原因が見えなくなり、さらに負のスパイラルへと突入することになる。
ネガティブは見えるからこそ対処できる。感じるからこそ乗り越えていこうと思える。それを無視することは、百害あって一利なし。ボクはそう思う。
真の意味での自己肯定感はとても大切。どんな自分もそれでいいと思ってくれる存在は、やはり自分だけだからね。
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