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高羽そらさんインタビュー

不当な検閲がもたらすもの

出版社が書籍を出版する前、必ず校閲を通過する必要がある。専門家がチェックすることで、間違いや問題のある文章がないか判定される。もちろんドラマや映画でもセリフが確認され、古い映画の場合は断り書きが放映前に入る。生放送におけるコメンテイターの発言について、後ほど放送局が謝罪するということもある。

 

ただその判断の基準となる物差しに関しては、基本的に納得できるものばかり。ボクが子供のころに使っていた言葉が、現代社会で禁止ワードになっていることが多い。だけど冷静に考えたら真っ当な判断だと思う。

 

その校閲が検閲という言葉に変わったとたん、どこか不当で根拠のないモヤモヤを感じる。日本においては戦前や戦中の憲兵を想像させるから。治安維持法という明らかに不当な根拠によって、恐ろしい検閲の目が国民に向けられていた。

 

ところがいまでも過去の日本のような国がある。ボクはある記事を読んで、その国の検閲に恐怖しか覚えなかった。

 

「ピザを食べる女性」はテレビに映せません。 イランで新ガイドライン

 

その国はイラン。日本とは比較的友好関係を維持しているイランだけれど、アメリカとはイラン革命以来反目しあっている。アメリカが安全な国だとはいえないけれど、革命後のイランの怖さは『アルゴ』という実話を元にした映画を観ればわかる。民主主義とはほど遠く、恐怖が国民を支配している。

 

現在になっても、そんな傾向は残っている。リンク先の記事によると、イラン政府から放送局や映画制作者に発行された新しいガイドラインは意味不明。あまりに不可解な内容に、ボクは何度も記事を読み返した。それでも理解できない。

 

その記事によると、『イランのテレビから、職場で女性のためにお茶を注ぐ男性、女性が赤い色の飲み物を飲むこと、そしてサンドイッチやピザを食べたり、革の手袋をはめた姿がカットされる──』という状況らしい。

 

やっぱりわけがわからない。おそらく男性や女性を意識させる映像は不可なんだろう。この指導を受けて、あるトーク番組ではゲストの女性が一度も映像に映らなかったらしい。ひたすら声が流れているだけ。誰がゲストなのかもわからない状況だったそう。

 

こうした検閲の基準となるのは、最高指導者ハメネイ師が発言したことが起因とのこと。つまり指導者の気まぐれで検閲内容が決められる。宗教的な根拠や政治的な思惑に関係なく、一人の人間の鶴の一声で決まるという雰囲気。これはさすがにキツいだろう。

 

イランの学生たちはそのことをわかっていて、アンケートによると検閲を受けた報道を信用していない。ネットやソーシャルネットワークを通じて情報収集しているとのこと。

 

こうした不当な検閲が続くと、いつかは大きな反発が起きるのは必至。そしてその反発を抑えるため、政府はより強大な恐怖を打ち出してくる。その結果、反発と恐怖の終わりない戦いがくり返され、いつしか内戦のようなことが勃発してしまう。

 

民衆の不満を恐怖で押さえつける行為は、いずれ破綻すると思う。イランでこんな検閲がまかり通っているようだと、その日は思っているより近いような気がする。

 

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高羽そら|たかはそら(作家、小説家)プロフィール

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高羽そら(たかはそら)
今後の目標:毎年1つの物語を完成させたいと思います。
生年月日:昭和37年5月10日
血液型:A型
出身地:京都市

【経歴】
1962年京都市生まれ。数年前に生活の拠点を神戸に移してから、体外離脱を経験するようになる。『夢で会える 体外離脱入門』(ハート出版)を2012年1月に出版。『ゼロの物語Ⅰ〜出会い〜』、『ゼロの物語Ⅱ〜7本の剣の守り手〜』、『ゼロの物語Ⅲ〜次元上昇〜』の3部作を、2013年7月〜12月にかけて、オフィスニグンニイバよりAmazonのKindleにて出版。現在も新たな物語を執筆中。

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