適度な恐怖は命を救う
痛みは辛いけれど、人間に痛覚がなかったら大変なことになる。料理をしていてうっかり指を切り落としても気づかない。怪我を知ったときは失血死寸前というようなことが起きてしまう。
先日料理をしていて軽い火傷をした。それだって痛覚があるからとっさに手を引いている。もし痛みを感じなかったら、ハンバーグが焼けるころにはボクの腕にも焼き目がついていただろうwww
それは心でも同じ。心に関して痛みに匹敵するのは恐怖だろう。恐怖に支配されていると普通の社会生活を送れない。だけど恐怖がないと危険なことでも平気でやってしまう。先ほどの痛覚と同じように、命に関わってしまうことになりかねない。ところがそんなことが実施に起きているらしい。
「高所恐怖症」というのはよく耳にするけれど、最近は「高所平気症」の子供が増えているらしい。それは物心ついたころから高層マンションに住んでいるから。それゆえ高いところに関する恐怖が皆無で、バルコニーから下をのぞいて落ちるという死亡事故が増えているそう。
リンク先の記事に興味深い統計結果が出ている。0~4歳の乳幼児498万1244人のうち、共同住宅の11階以上に住んでいる子どもは9万8816人(総務省『国勢調査』2015年)。パーセンテージでは1.98%でしかない。ところが当然ながら地域差がある。
日本全国でもっとも少ない奈良県では0.11%なのに、1位の東京は5.93%という数字が出ている。それだけ高層建築物が多いということ。ボクが暮らす兵庫県は第4位で、2.43%とになっている。ボクのマンションは最上階が13階なので該当する子供がいるかもしれない。
ボクの部屋は10階だけれど、丘の上に建っているマンションなので景色はタワーマンションと同じ。だから同じ階でも「高所平気症」になってしまう子供は出てくると思う。ボクは高所恐怖症じゃないけれど、それでも体外離脱してバルコニーから飛び降りるときは、何度も現実世界かどうかを確認する。それは怖さを知っているから。
高さの感覚は、小学校入学前の幼少期である程度固まってしまうそう。ボクは5歳くらいのころに二階から落ちて失明寸前の大怪我しているので、それなりに恐怖感を持つことができたのだろう。
でも高層マンションに暮らしていたり、公園のジャングルジムで高さを体験しない子供は「高所平気症」になってしまう可能性が高くなる。そうなれば小学校に入っても高いところを恐れなくなり、無茶をして命に関わるかもしれない。適度な恐怖は命を救うということらしい。
これはどんなことにもいえると思う。本当の勇気とは、恐怖を熟知したうえでその出来事に真正面から向き合うこと。だけど恐怖を知らずに突き進むのは、『無知』だといわれるだけ。それが命に関わることならシャレにならない。
度が過ぎるのはよくないけれど、子供のうちにある程度の『恐怖』を経験するには大切なことなのかもしれないね。
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