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高羽そらさんインタビュー

見事な意識世界の映像化

ボクが経験している明晰夢の世界を、とてもわかりやすく映像化しているのが『インセプション』という映画。おそらくあの映画を作った人の誰かが、日常的に明晰夢か体外離脱を経験しているんだと思う。そう断言できるほどボクの経験と重なるところが多い。

 

夢の世界は本当に不思議。辻褄という言葉が存在しないかのように、無秩序で荒唐無稽な世界が違和感なく成立している。言い換えると、人間の意識は同じく混沌としているものだということだろう。

 

そんな人間の意識世界を描いた映画を観た。これまた『インセプション』と同じく、ボクがイメージしている意識世界を見事に映像化した作品だった。

 

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2021年 映画#164

『ザ・セル』(原題:The Cell)という2000年のアメリカ映画。写真のジェニファー・ロペスが主演している。

 

ジェニファー・ロペス演じるキャサリンは、ある先進医療施設で働く小児精神科医。その施設には人間の意識に侵入できる装置が開発されていた。エドワードという少年が昏睡状態になっている。その少年を救うため、キャサリンは彼の意識世界に入り込んで説得を試みていた。

 

だけどエドワードはなかなか心を開こうとしない。彼の意識世界なので、主導権はエドワードにある。キャサリンとしては、危険だとわかっていても、逆にエドワードに彼女の意識に侵入させるしかないと考えていた。そうすればキャサリンが主導権をとって治療できるから。

 

そんなとき、恐ろしい連続殺人事件が発生していた。若い女性ばかりを狙った犯罪で、ほとんどの女性が溺死で発見されている。FBIのピーターは優秀な捜査官で、ようやく犯人を見つけ出す。だけど犯人のカールを見つけたとき、すでに昏睡状態だった。

 

カールの部屋には、監禁されているジュリアという女性の生映像がモニターに映されていた。ガラス張りの部屋に閉じ込められ、自動で定期的に水が注入されている。だけど監禁場所が分からない。そこでピーターは殺人犯のカールを研究所に連れてくる。

 

キャサリンがカールの意識に潜入した。その世界は凄まじい。カールは強度の統合失調症で、父親に虐待を受けたことで異常なサイコパスとなっていた。その精神世界の描写がすごい。狂気に満ちた人間意識の映像は、文章で説明できるものじゃない。見事な演出だと思う。

 

カールの意識内には、虐待を受けていた少年のカールが隠れていた。だけど成人したカールがその意識世界の帝王となっていて、少年の彼を抑圧している。やがてキャサリンは強烈なカールの意識に圧倒されて、その世界が現実だと思い込まされた。そしてカールの意識から出られなくなってしまう。

 

そこでピーターがキャサリンの救助へと向かった。カールの意識へ侵入することで、キャサリンを助けようとした。このあたりの映像は一見の価値がある。明晰夢の世界と酷似している。

 

最終的にはピーターとキャサリンは、カールの意識から脱出する。そしてジュリアの居場所を見つけ出すことに成功する。だけどキャサリンはもう一度装置に自らを接続した。なぜなら少年のカールに戻ると約束していたから。

 

だけどカールの意識に入ると、再び囚われてしまう。そこで主導権を握るため、危険を承知でカールの意識を自分に侵入させた。ここからがとても切ない。

 

少年のカールを助け出しても、完全に壊れてしまった大人のカールを元に戻せない。だから少年のカールは、自分と一緒に成人したカールを殺してくれと願う。そうするしかカールを狂気から解放する方法がないから。

 

泣きながら少年のカールを水に沈めるキャサリンの姿が、とても強く印象に残っている。現実世界に戻ると、カールはすでに息絶えていた。この経験を活かすことで、キャサリンはエドワード少年の治療に成功するというエンディングだった。

 

こんな映画があったのを知らなかった。本当によくできていると思う。人間の意識世界に関心のある人には、必見の作品だと思うよ。

 

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高羽そら|たかはそら(作家、小説家)プロフィール

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高羽そら(たかはそら)
今後の目標:毎年1つの物語を完成させたいと思います。
生年月日:昭和37年5月10日
血液型:A型
出身地:京都市

【経歴】
1962年京都市生まれ。数年前に生活の拠点を神戸に移してから、体外離脱を経験するようになる。『夢で会える 体外離脱入門』(ハート出版)を2012年1月に出版。『ゼロの物語Ⅰ〜出会い〜』、『ゼロの物語Ⅱ〜7本の剣の守り手〜』、『ゼロの物語Ⅲ〜次元上昇〜』の3部作を、2013年7月〜12月にかけて、オフィスニグンニイバよりAmazonのKindleにて出版。現在も新たな物語を執筆中。

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