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高羽そらさんインタビュー

なぜ虚無感が消えないのか

虚無感が消えないと感じることがないだろうか? もう少しわかりやすく書くと、中途半端感という感覚のほうが近いかもしれない。何をやっても完成に到達せず、満たされないという想いが残ってしまう。


ボクは毎日眠る前、このまま死ぬとしたら、ということを自問する。そうするとやり残したこと、やり切れなかったことばかりが頭に浮かび、虚無感に包まれてなんとも言えない気持ちになる。


もっと努力したら、もっと諦めなければ、もっと早く始めていたら。過ぎてしまったことに対して、そんな呪いのような言葉を投げかけてしまう。これまで自分は何かを達成したんだろうか? そう思うと悲しくなってしまう。


過去に手がけたことに想いを馳せるとヤバい。もしかしたらプロ野球選手になったかも、剣道で全国制覇したかも、水泳でオリンピックに出場したかも、ミュージシャンになったかも、父の会社を継いで大企業にしていたかも、祇園で京都の花街を仕切っていたかも、というような、切り捨ててきたことへの想いがよぎる。


それは中途半端で逃げ出した結果だ、ともう一人の自分が苦笑しているのがわかる。なぜ何をやっても虚無感を覚えてしまい、満たされない気持ちになるんだろう。ボクはこのループに入ると、そこから抜け出すために思い出すことがある。


人は誰も完全には満たされない、ということ。


ボクが見たら成功したと思えるような人でも、それはその仕事に関してだけで、別の面で満たされていないことがあるはず。それは家族かもしれないし、友人関係かもしれない。虚無感を抱かない人間はいない。ボクはそう確信している。


その確信の根本にあるのは、『全てはひとつである』ということ。


人間というのは『完全なひとつ』から分離したものだと考えている。つまり分母には『ワンネス』というものがあるけれども、分子は『自我』という限定された存在。それゆえ自分には何か足りない、と常に分母への想いを馳せるのが人間の宿命だと思う。


ジグソーパズルで考えるとわかりやすい。ワンネスという完璧なパズルが存在する。本来はそれが自分なので、そのことを魂のどこかで認識している。


だけどこの世に生まれた時は、『自我』という限定されたピースしか手にしていない。それでもパズルを完成させようと必死に生きる。そして手持ちのピースの置き場所を見つけては感動する。やり甲斐や生きがいを感じる。


ところがどれだけパズルのピースを埋めていっても、完璧なパズルにはならない。どこかが欠けていて、絶対に完成しないパズルを埋めようとしているから。元々手持ちのピースの数が足りないんだから。


その足りないピースが、いわゆる『個性』というもの。ボクはそう思う。だから完璧になろうとしても、できることは手持ちのピースをとりあえず並べること。小さな感動を積み重ねていくしかない。その先には完成しないという、中途半端感が待っているだけだとしても。


もし人生の終焉を迎えて、後悔や心残りでいっぱいなったとしても、やり切ったことを自覚できる方法がある。それは手持ちのピースをすべて並べ切ってしまうこと。もちろんピースは欠けているのでパズルは完成しない。


でも人生を諦めてピースを手にしているより、全力で並べ終えた人生にしたいと思う。おそらくまだ並べていないピースをいくつも手にしているはず。だから前に進む足を止めるわけにはいかない。そう思って、翌日も頑張ろうと自分を鼓舞する。


手持ちのピースをすべて並べたとき、この人生における『自分』をようやく総括することができるような気がする。それを見てから死にたい、と本気で考えている。とにかく並べなかったピースを、次の人生に持ち込むようなことはしたくないなぁ。


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高羽そら|たかはそら(作家、小説家)プロフィール

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高羽そら(たかはそら)
今後の目標:毎年1つの物語を完成させたいと思います。
生年月日:昭和37年5月10日
血液型:A型
出身地:京都市

【経歴】
1962年京都市生まれ。数年前に生活の拠点を神戸に移してから、体外離脱を経験するようになる。『夢で会える 体外離脱入門』(ハート出版)を2012年1月に出版。『ゼロの物語Ⅰ〜出会い〜』、『ゼロの物語Ⅱ〜7本の剣の守り手〜』、『ゼロの物語Ⅲ〜次元上昇〜』の3部作を、2013年7月〜12月にかけて、オフィスニグンニイバよりAmazonのKindleにて出版。現在も新たな物語を執筆中。

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