日本の様子見は信用をなくすよ
日本人の特質として、和を尊ぶというものがある。聖徳太子が制定した十七条憲法でも、真っ先にこの精神について触れられている。
それはそれで素晴らしいと思う。だけどいまのように世界の情勢が加速度を増していると、様子見をしているようにしか見えない日本は、諸外国からの信用を失くしてしまうと思う。
来年に開催される冬季の北京オリンピックに関して、アメリカが外交ボイコットを決定した。選手は派遣するけれど、ウイグル人に対する人権侵害を見過ごせない。だから政府関係者は派遣しないと宣言した。
カナダ、そしてオーストラリアが続き、昨日にはイギリスが正式に外交ボイコットを発表した。中国政府がどれだけ言い訳しようと、ウイグル人に対する人権侵害が起きているのは事実。ジェノサイドだと断定していい。日本政府もそのことを認識しているはず。
だけど外交ボイコットを検討すると表明しただけで、まだ正式に発表していない。やらないよりはやった方がいい。だけどぐずぐずしていると、世界の情勢を様子見したうえでの決定だと思われてしまう。そんな風見鶏的な態度は、国際社会で信用を失ってしまいかねない。
それ以外にも日本の対応の遅さを感じることがある。それは同性婚に関すること。昨日ある記事を読んで、日本が世界に取り残されていくのを感じてしまった。
チリ、同性婚法案を圧倒的賛成で可決する。「愛は愛だと認められた一歩」
南米のチリで、同性婚法案が圧倒的賛成で可決された。法案の提出は4年前で、ようやく成立したとのこと。記事にアップされている写真を見ると、その決定を心から喜んでいる様子が伝わってくる。写真を見ているだけで、もらい泣きしそうになった。
同性婚の法案を成立させたチリは、世界で31番目の国となるそう。すでに30以上の国や地域で同性婚が合法化されている。この記事を見た昨日、日本の別のニュースが目についた。
東京都が来年度から「同性パートナーシップ」の導入する方針で、提供できるサービスを検討しているとのこと。すでに同じ制度が世田谷区や渋谷区、そして大阪府や茨城県で導入されている。日本の中心である東京都の決定は遅すぎるとしか思えない。それでも一歩前進。亀の歩みでしかないけれど。
おそらく世界的な共通認識として、同性婚が認められていくのはまちがいない。どんなことでも反対する人はいるもので、それなりの抵抗はあるだろう。だとしても同性婚を認めることの不利益なんて想像できない。愛し合う人が法律で保護されることは、何の問題もないと思う。
だけど日本で同性婚が合法化されるのは、世界の大半がその方向へ進むことを確認してからだろう。大勢に追随することしかできない国は、マジで信用を失っていくよ。和を尊ぶのはいいけれど、世界の世論をリードしていくような気構えも必要だと思う。
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