今、ウクライナで何が?
ロシア軍がウクライナ国境に集結している。アメリカ情報機関によると、4ヶ所に50の戦術部隊が配備され、戦車も運び込まれている。兵の総数は17万5000人とのこと。年明け早々に、このロシア軍がウクライナへ侵攻する可能性が高いとのこと。
ロシアによるウクライナのクリミア併合が2014年に起きた。今回の騒動はその流れから来ているものだとわかる。でもそれ以前から火種があった。その背景が分かりやすく書かれた記事を見つけた。その記事をまとめて、ウクライナ事情について自分なりに再勉強しようと思う。
いまさら聞けない、ウクライナ国境にロシア軍を大集結させる「プーチンの本当の狙い」
発端はアメリカとソ連の冷戦時代にさかのぼる。ヨーロッパには二大勢力が存在している。
・「反ソ連軍事同盟」である「NATO」
・「反米軍事同盟」である「ワルシャワ条約機構」
当然ながらソ連が崩壊してロシアになっても、この争いは継続されている。分裂していたドイツが統一された1989年、当時のソ連はこれを黙認した。その代わりゴルバチョフは条件を出した。NATOを統一ドイツより東へ拡大しないこと。アメリカもそれを了承した。
ところがアメリカはその約束を守らない。というより冷戦終結によって、経済復興を意図する東ヨーロッパ諸国はEU並びにNATOへの加盟を求めることになった。
1999年、チェコ、ハンガリー、ポーランドがNATOに加盟。
2004年、スロバキア、ルーマニア、ブルガリア、スロベニアがNATOに加盟。さらにバルト三国も同じ年に加盟した。
2009年、アルバニア、クロアチア、2017年モンテネグロ、2020年北マケドニアが加盟。
これだけでロシアが焦るのはわかる。約束を守らないアメリカに対しても怒っているだろう。そして次にNATOが目をつけたのが、ロシア国境にあるウクライナの加盟。アメリカとしては、これによってロシアを完全に包囲することができる。
そんな流れで、親ロシアだったウクライナで革命が起きて反ロシア政権となった。それが2014年2月のこと。これによってロシアは行動を起こし、世界中の反対を押し切ってウクライナ領であるクリミアを奪い取った。これがクリミア併合というもの。
さらに同じ年の4月に、親ロシアを表明したウクライナ東部のルガンスク州、ドネツク州が独立を宣言した。もちろんウクライナ政府はそれを認めない。その結果内戦が起きた。これはアメリカとロシアの代理戦争であって、記憶に新しい人も多いだろう。
この戦争は2015年に停戦となって、現在に至っている。ところがそれで終わらない。
2019年にウクライナ大統領となったゼレンスキーは、親ロシアから一気に転向する。プーチンとの対話は無益だと表明すると、EUとNATO加盟を目指すようになった。そしてこのゼレンスキーが今年の10月に行動に出た。
なんと親ロシア武装勢力にドローン攻撃を仕掛けた。プーチンは、ゼレンスキーが事実上独立状態にあるドネツク、ルガンスクを攻撃し、再統一しようとしていると見た。それで、ウクライナ国境沿いに大軍を集結させたというのが現在の状況。
ロシアの大義名分は親ロシア派を守ること、さらにウクライナのNATO加盟を阻止するということ。だけどリンク先の記事によると、大軍を見せつけることに大きな意味があるらしい。NATOに加盟した東欧諸国に対して、このままだとお前たちはロシアと戦うことになると脅す目的があるとのこと。
アメリカのバイデン大統領の動きを見ると、ロシアと戦争するつもりはないらしい。なぜなら中国がロシアと示し合わせて台湾への武力行使することを避けたいから。アメリカとしてはロシアと中国と同時に戦争をしたくない。それゆえロシアに対して、もしウクライナに侵攻した場合は強力な経済制裁を課すことを言明している。
もしこの経済制裁を実施すれば、ロシアの経済は完全に死んでしまう。だけどクリミア併合のとき、ロシアは経済制裁を覚悟の上で軍事行動を起こした。その結果、ロシア経済は成長を止めている。だから今回もアメリカの脅しに屈しない可能性がある。
自分でこうして書くことで、ウクライナ情勢が整理できた。まもなく新年を迎える。新年早々、世界を揺るがすような戦争が起きないことを願っている。
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